なべやかん遺産|「ハロウィン」

なべやかん遺産|「ハロウィン」

芸人にして、日本屈指のコレクターでもある、なべやかん。 そのマニアックなコレクションを紹介する月刊『Hanada』の好評連載「なべやかん遺産」がますますパワーアップして「Hanadaプラス」にお引越し! 今回は「ハロウィン」!


もし宇宙人が現れたら

10月のイベントといったらハロウィンだ。ハロウィンが来るまでは十五夜お月さんを見て団子を食べる日本だった。

ハロウィンとは全く縁のない日本で定着するとは思っていなかったが、さすが日本、他の国の文化をうまく取り入れ我が国流の文化に変えてしまう。こんな国であるからこそ戦争で負けても日本文化を失わずに済んだのだろう。

UFO研究家にこんな話を聞いた。アメリカの極秘文書には「もし宇宙人が現れたら?」という項目があり、それに対し「日本人を見習え」という解答が書かれていたという。戦争で負けた国は、勝った国の文化に変わっていくが普通だが、日本はそうならなかった。

アメリカの文化もうまく取り入れ日本流にしていったからだ。文化が劣っている国は進んでいる国に飲み込まれるというのも現実。宇宙人が来たら現代の地球より進んでいるはずなので、全てが変わってしまう可能性があるので、日本人のようにしましょうというのが専門家の意見であるようだ。

日本という国は珍しい。新年を迎える時の事を思い出せばわかると思う。お寺で除夜の鐘を叩き、年が明けたら神社で初詣。お腹が空いたら露天商の屋台でケバブを食べる。

こんな事で驚いてはいけない。うちの近所の教会なんて、立て直しの時、神主を呼んで地鎮祭をやっていたからね。

日本流になったハロウィンは、やはりおかしい。ハロウィン=コスプレの日。それが日本流になっている。普通にディズニープリンセスのコスプレをして街やディズニーランド&シーにいる女子が多いが、本来なら血だらけであるとか目玉や内臓が飛び出しているとかでないと駄目だ。

オバケのコスプレが基本なのだから、そちらに寄せないと。

本場のハロウィンのすごさ

ニュージャージー州のニューアークで行われたチラー祭に行った時、アメリカでハロウィン体験が出来た。チラー祭はホラーのイベントだったので、本格的メイクをした人が多かったので面白かった。

ただし夜の移動が怖かった。ホテルのエレベーターに乗ると頭にナイフが刺さった人が乗っているし、ホテルの表に出たらオデコから血を流している人がいて「さすが本場」と思ってしまった。でも、オデコから血はコスプレではなく本当の怪我人だった。

日本流ハロウィンをおこなうなら、和的な妖怪や怪談が良いだろう。そして、神的なものもアリではないかと思っている。宮崎駿監督作品『千と千尋の神隠し』には様々な神が登場する。だが、それらの神は妖怪と見分けがつかない姿だし、ある意味、恐怖さえ感じる。

実は子供の頃から神様は怖い存在と感じていたので、あの映画を観た時は見事に共感してしまった。例えば、一人で神社で拝んでいる時、自分の願いを念じると「よし、わかった」と声が聞こえたら怖いでしょ?

実はこの恐怖を感じたのは、子供の頃トイレが近く夜中に何度も行っていると、父親から「トイレの神様に、夜中にトイレに行かないで済むようにして下さいとお願いすれば」と言われた事から始まっている。

夜寝る前にトイレで小便を済ませた後、トイレの神様にお願いした。でも、この時、トイレの神様が姿を現したらどうしよう、声が聞こえたらどうしようって想像したら怖くなったのだ。それ以来、神様は怖い、妖怪やオバケと変わらないと思うようになった。

子供の生首。目が開いているのが怖さを倍増する。

そんなわけで今回は撮影用プロップとして作られた神的なものや妖怪的なものやバケモノ的なもの達をご紹介しよう。

まずはオーソドックスにハロウィンの飾りにも使えそうな生首から。映画の撮影用プロップなので、実にリアルでよく出来ている。この連載で過去にも紹介したし、おそらく未来にも登場するであろう見事な生首だ。和な感じで子供の生首というのが怖さを何倍にもしている。

続いて、大人の生首。これは打ち首にされて胴体とサヨナラした首だと思われる。苦しみ、悶絶の表情が素晴らしい。首切りされた瞬間「あっ」とリアクションしたのが伝わって来る。

大人の生首。こちらの生首は目を閉じているが口は開いている。歯が良いよね。

作り手のリスペクトが感じる作品

特殊メイクアーティストの百武さんが作った烏天狗。
造形力も塗装も素晴らしい。

造形力も塗装も素晴らしい。

続いて、烏天狗の面。これを作ったのは日本の特殊メイク界で有名な百武朋さんの作品。造形力もさることながら塗装がとにかく凄い。最初に見た時、この烏天狗の素材がわからなかった。

触ってみて初めてフォームラバーだという事がわかった。くちばしや目の塗りの凄さ。これらが全て柔らかい素材なのだからビックリする。

この辺まではホラー的な要素が強いが、次は神的なもの。ヒンドゥー教の女神であるカーリーを思わせる三面神。カーリーといえば映画『シンドバッド黄金の航海』(1973)を思い出す。

レイ・ハリーハウゼンが作ったストップモーション・アニメーションのカーリーは実に見事で美しかった。この三面神は、作り手のカーリーへのリスペクトが感じられるので、とても美しい。

カーリー顔の三面神。

どの顔も穏やかだが強さを感じる。

そして最後が古代メキシコの遺跡にありそうな顔。もしくは子供の頃、ケロッグのコーンフレークを買った時に入っていたトーテムポールのオマケにも似ている。登場した作品はわからないが、造形のクオリティは高い。

これらのマスクのようなものは他にも沢山持っているので、いつの日か自分流のハロウィンをコレクションルームか展示イベントでやってみたい。なべやかん流本気のハロウィン。遊園地のお化け屋敷より物量の多い展示物を皆さんにお披露目したいな。

今年、新型コロナウィスルの影響で中止になった横浜での展示イベント『春休み大作戦』のリベンジ展が行われた時には、季節問わずその路線で行きたいと考えている。なべやかんの本気を皆さんに見せたいよ。

アステカやマヤやオルメカの文明にありそうな顔。

なべやかん

https://hanada-plus.jp/articles/304

昭和45年8月22日生まれ。たけし軍団初の2世タレントとして、91年デビュー。趣味の特撮キャラ収集では、30年以上前から専門誌やイベントで資料提供している。主催のお笑いライブは、個人主催では最長記録である。

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