オルガ円盤の破片。これで色がわかる。
平成キングギドラのウロコ。ウロコ制作は有限会社ツエニー。
プロップコレクションの第一号
『ゴジラ2000 ミレニアム』に登場した敵怪獣オルガの円盤の破片というものもある。素材はFRP(繊維強化プラスチック)だが、この破片により色がわかる。銀色でも種類が色々あるので、これさえあればフィギュアを作り塗装する時でも正確な色がわかるので非常に助かる。
この連載で前にも紹介した平成キングギドラのウロコ。型にラテックスを塗りドンゴロスで裏打ちをしている。こういったものを何百枚作り体に張り付けていったのだからキングギドラ1体作るのがどれだけ大変な作業だったかご理解いただけるだろう。キングギドラは全身ウロコだから大変だよ。
キングギドラも東宝のスター怪獣だが、他にもモスラというスター怪獣がいる。モスラが生まれる時、卵を割って登場する。素材はFRP製の卵の殻。モスラが登場する多くの映画に出演した俳優の小泉博さんのサインを書いてもらっているので、ただの破片から価値がさらに昇格している。
映画に登場する怪獣関連では、ガメラの傷というのもある。戦闘で傷付くガメラの傷は、人間の特殊メイクと同じ方法で作られている。着ぐるみの表面に傷のモールドを張り付けるのだ。その傷もコレクションの一つ。
怪獣のパーツでは、ウルトラマンレオに登場したレッドギラスのコブというのもある。1978年、円谷プロの近所に住んでいる同級生に連れられ円谷プロ怪獣倉庫見学に行った時、怪獣倉庫で怪獣の着ぐるみをメンテナンスしているおじさんがレッドギラスのコブをむしり取って「あげるよ」と渡してくれた。
実はこれが“なべやかんプロップコレクション”の第一号である。まさかこのコブからプロップコレクションが増殖するとは!何がきっかけになるかわからないね。
怪獣作りといえば、高山良策さんは怪獣着ぐるみ作りの神の一人だ。高山さんが作った怪獣達の出来が良すぎたので、今現在もウルトラ怪獣はその呪縛から抜け出せないでいる。
神である高山さんの工房から出て来たお宝パーツもある。高山さんが作った怪獣は瞬きする事で生物としてのリアル感を出した。その瞼がある。瞼はラテックス製で型から抜かれたもの。ラテックスの薄い抜きでバックアップはされていない。瞼開閉ギミックの上にこの瞼を張り付けて使う。
スペクトルマンに登場した宇宙猿人ラーの手がある。この手はギニョールサイズのものなのでとても小さい。指先が気泡だらけなので、高山さんの失敗作だろう。型抜きする時、先の細いものは気泡が入りやすい。神がミスったもの、これこそお宝だ。
モスラの卵の破片。2007年7月1日に小泉博さんにサインを頂いた。