菅内閣の“スパイス”
菅新内閣が発足。
新鮮味は少ないが、手堅い布陣。ま、来年秋まで1年ちょっとの短期、本格的な菅内閣は次にということだろう。
なかには女性問題で早速”文春砲”に狙い撃ちされそうな方もいるが、重々、気を引き締めて任に当たっていただきたい。
15日の産経抄でも触れていたが・菅新総理の愛読書はアメリカの元国務長官コリン・パウエルの『リーダーを目指す人の心得』。
わが飛鳥新社の刊行で、2012年に発行以来、四六判、文庫判合わせて10万部以上売れている。
黒人として初めて米陸軍の大将になり、史上最年少で統合参謀本部議長に就任。レーガン政権で国家安全保障問題担当の大統領補佐官、ブッシュ政権では5年にわたって国務長官を務めた。
そのコリン・パウエルが、自らの人生について、そして仕事について書いたこの本は、日本のビジネスパーソンや組織にも役に立つ。すぐに応用できそうなことばかり。
菅さんは度々、この本に言及しているから、今回の閣僚選びにも参考にしているに違いない
第3章「人を動かす」の中に「人材の組み合わせの妙」という章がある。
コリン・パウエルは部下に何を求めるか。
〈特に変わったものはなく、能力、知性、個性、倫理性、度胸、優しさを伴う厳しさ、士気高揚の力、忠誠心などだ。〉
〈私よりも前に問題に気づき、私が知らないうちに対処してくれる部下は宝だと思う。誰よりも早くチャンスに気づき、リスクや危険を早期に察知できる部下も宝だと思う。〉
菅さんが選んだ、新閣僚にこれらの条件を満たしている政治家が何人いることやら。
〈シチューには少量のスパイスが必要だ。だから私は個性的な人間も欲しい。一風変わった人物がいたほうが、チームに活気が出るのだ。〉
さしづめ、河野太郎行政改革相あたりが、菅内閣にとっての「スパイス」なのではないか。