国民の圧倒的多数が対中強硬策を支持!今こそ台湾の武漢ウイルス防護策に学べ|酒井亨

国民の圧倒的多数が対中強硬策を支持!今こそ台湾の武漢ウイルス防護策に学べ|酒井亨

台湾はなぜ武漢コロナウイルスの封じ込めに大成功したのか? その知られざる政策の背景には「国家のプライド」と「対中警戒感」という日本に欠如した重要な要素があった。中国への忖度などもう必要ない!日本はもっと親日国・台湾に目を向け日台関係を強化すべきだ!


支持率急上昇の理由

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「武漢肺炎」問題は、いまや世界最大の問題だ。そのなかで小国・台湾の動きが光っている。  

本稿では、組織の固有名詞や引用以外では「武漢肺炎」で統一した。台湾では、政府が公式に略称として「武漢肺炎」を使い、一部の親中メディア以外は「武漢肺炎」と呼称している。香港やマレーシアの中国語メディアでも、親中派を除けば「武漢肺炎」が一般的である。  

台湾では政府の武漢肺炎対応が国民からも強く支持され、政府、政治家の支持率が急上昇している。2月24日に公表された台湾民意基金会の調査では、蔡英文総統(大統領)の支持率は、前月から11ポイント強増え68・5%に、なかでも防疫政策については、75.3%が「80点以上」と回答した。  

衛生福利部長(厚生労働大臣に相当)の陳時中が指揮する中央流行疫情防治中心(中央伝染病予防センター)に対しても、平均84・16点という高い評価がなされた。ちなみに副総統の陳建仁と行政院副院長(副首相)の陳其邁、さらに衛生福利部の次長(次官)も公衆衛生の専門家である。つまり、蔡政権は最初から感染症対策に適した布陣なのだ。

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