斎藤幸平氏:物価高とか資源不足を前にして、最近、社会主義思想に目覚めて、計画経済推しなんです。これやっぱり、コロナ禍もそうだったし、ウクライナのロシアの戦争をそうですし、今のイランの戦争もそうですけれども、戦争とか災害の時代になって行くと、物資不足・価格高騰がどんどん加速していきますよね。
パニックに直ちになる必要は勿論ないけれども、韓国とかフィリピンなどを見ていると、ガソリンの民間の利用を制限するとか、やっぱり時間稼ぎのためにも、節約とか規制が必要になるわけですね。これって市場に任せていたらできないので、何らかの国の政治的判断による計画が必要になる。
これはやることも難しいし、反発もあるからこそ、丁寧に基準とか優先順位というものを明確化して、高市さんが会見で説明をする必要があると思うんですね。それをやらないで、困難だからと避けていると、結局資源が浪費されたり、買占めが起きたり、それでインフレが加速してしまったりということで、最終的には弱者が犠牲になってしまう。
こういう戦時の状況だからこそ、インフレとか欠乏の時代を生き延びるためには、生産に優先順位をつけてエッセンシャルなものを重視するという計画化を考えていく必要がある。
マルキストの斎藤氏が「最近、社会主義に目覚めて、計画経済推しなんです」というのは、「オイオイオイ」とツッコミを入れたくなりますが(笑)、「時間稼ぎのため」に何らかの対策をとる必要があるということは確かです。
マルキストの斎藤氏は、このための対策として、「規制」で節約するという社会主義的政策を提案していますが、まずは、市場原理に任せて価格を高騰させることで節約する自由主義的政策を展開することが価格安定への近道と考えます。
もちろん、少数の弱者にはそれなりの配慮をする対策が必要と考えますが、「ガソリン補助金」などの【依存症 addiction】を進行させるバラマキ政策は、今の日本の状況には適していないと考えます。なお、斎藤氏が緊急時の短期的な節約・規制を「計画経済」とするのは、言い過ぎかと思います(笑)。
いずれにしても、この戦争を早く終わらせることは、日本のみならず、米国にとっても、イランにとっても大きな利益があることです。
安倍総理が存命であれば……
寺島実郎氏:日本の取るべきスタンスを視界に入れながら発言したいんですけどね、この不条理な戦争を引き起こしたイスラエル・米国の側に立って、ペルシャ湾に派遣するということは、国際社会からの日本に対する失望を招き、トランプに擦り寄る日本という、21世紀のこれからの世界秩序を考えた場合に甚だ拙いというのが僕の言いたいことですけど、現実的に、日本にもインパクトを与えている状況をどうやって突き破るんだということについて、僕はね、「えっ」と思うかもしれないけれど、国連というものをもう1回想い出さなければいけない。
国際社会の合意形成の努力を日本が促していく。その上で、国連の要請を受けてペルシャ湾に動くということなら、シナリオとしてあり得るかなと。
国連は総会で160カ国以上の国が「単独行動主義はいかん」という視点と、多国間協調主義を掲げて、国連精神をもう1回確認しながら、「もちろんイランの核もいかん」と。だけど「イスラエルの核がいいんだ」という話にはならないと。「中東の非核化ということを一つの原則として確認しようじゃないか」と。
この考え方には、イランや中国さえも巻き込んで「国際合意の下にペルシャ湾の安定のために動こうじゃないか」ということで、国連からの要請を受ける形で、多国間の支援を受けながら、日本という国が動くということであれば、それは筋が通ることだし、日本の国益にも適う。そういう現実的なシナリオもあり得るということを日本の政権も真剣に考えるべきだ。
番組登場以来、禅問答のようなコメントを続けていた寺島御大の話が、最近わかりやすくなってしまったことがある意味残念なのですが(笑)、その趣旨は過去と同じ「国連第一主義」です。
もちろん、国連が機能すればそれに越したことはないのですが、期待を持てないのが現実です。それよりは、米国とイランの要請を裏で受けて、両者のプライドを壊さない形で、両者に厳しい停戦条件をのませて不毛なチキンゲームを終わらせるというのが、日本の取るべきスタンスであると考えます。それには、イランに対して非核化とテロに関与しないことを約束させる必要があります。
いずれにせよ、米国にとっても、イランにとっても停戦は大きな利益があるので、ハンドリング次第では大きな貸しを作ることも可能です。こんな時に安倍総理が存命であればと強く思う次第です。


