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ついでに言えば、数年前ブームになった韓国に対する批判本を、ヘイト本、つまり韓国に対する差別本だとしてやり玉に挙げ、書店の店頭から撤去せよと迫ったリベラル人士たちがいた。しかしその同じリベラル人士たちはいまや、韓国発祥の宗教団体に対し嬉々として、「壺」は言うに及ばず「反日邪教」という差別的なレッテル張りをしている。そもそも彼らは、「反日」という言葉を忌み嫌っていたはずである。まあ彼らにもぜひこの本を読んでほしいが、それは無理というものか。
戦後最悪の人権侵害をなぜ全く報じないのか?
私がこの本において最も強調したいのは、家庭連合の信仰を持っているというただそれだけの理由で、これまでに4300人以上の信者が、精神病院やマンションに拉致監禁され、暴力的に棄教を迫られた事実である。私はこれを、「戦後最悪の人権侵害」と名付けている。信者を直接、拉致監禁したのは実は信者の親族だが、それを指導・教唆した人々がいる。信者に対する強制改宗を請け負うプロの脱会屋と、家庭連合の教義を異端とみなすキリスト教の牧師たちである。親族は彼らから、「統一教会は犯罪者集団だ」「信者は犯罪者になる」などと嘘を吹き込まれ不安を煽られた挙句、我が子への拉致監禁に手を染めたのである。
教団から脱会しない限り解放されないため、囚われの身となった信者たちは必死に逃れようとした。3階の監禁部屋から飛び降りて腰椎を粉砕骨折した者、6階から墜落して奇跡的に命は助かったが、高次機能障害を負った者、絶望して自殺した者、レイプされた若い女性信者もいる。夫婦の一方が拉致監禁され、家族と生木を裂くように別れさせられた者もいる。
ところが、これほどの事件をメディアは全く報じようとせず、驚くべきことに、警察もまったく動かなかったのだ。えっ、どうしてなぜなのか? 私は、冒頭の素朴な疑問を共有する読者にこそ本書を読んでほしいと願う。
一弱小宗教に対し偏見にとらわれたメディアや国民感情が暴走すると、国や政府、警察、司法までがそれに迎合して、いとも簡単に民主主義、法治主義の原則を踏みにじってしまう。私はその恐ろしさを訴えたつもりである。一読し、ロシアや中国ではない、この日本で実際にこんなことが起きているのだと認識していただければありがたい。
1956年、横浜市生まれ。立教大学社会学部卒。専門誌、編集プロダクション勤務を経て、フリーに。犯罪、ロシアなどをテーマに取材、執筆活動を行っている。著書に『スターリン 家族の肖像』(文藝春秋)、『暗殺国家ロシア 消 されたジャーナリストを追う』(新潮社)などがある。2007年に『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮社)で第六回新潮ドキュメント賞を受賞。

