膳場貴子氏:そもそも「中道」とはなんでしょうか。仏教で「中道」とは、両極端のどちらにも偏らない立場をいいますが、政治の世界では、左右の政治勢力の「中間」に位置する姿勢を指すといわれています。
ここで、【中道 centrism】というのは、膳場氏の言うような「左右の政治勢力の中間」ではなく、「左右の政治イデオロギーの中間」です。
つまり、左右の政党の政治スタンスの程度によって相対的に決まるのではなく、図に示すような政策のスペックから絶対的に決まる政治イデオロギーに他なりません。
斎藤幸平氏:関口宏さんがこの番組をやめられた後に「ずっと真ん中でやってきたけど、いつのまにか社会がずるずるっと行って、偏向番組とよばれるようになった」とおっしゃっていましたよね。
これは既に社会は右へずれているということですけど、まさに今回「中道」になったということは、実質的には「リベラル」という言葉さえも捨てて、まさに社会がどんどん右に行って、政治も右に行っていることの表れ、妥協の産物と私は思っています。(中略)
理念を軽視するような政治で、果してこれからの時代を生き抜けるのか。
このような相対評価は誤りです。社会がどう変わろうと、古典的自由主義も社会主義も絶対的なイデオロギーです。
例えば、いかに社会が左へずれたとしても、マルキストの斎藤氏は社会主義の極致である共産主義であり、それが保守主義になることはありません。
かつてケント・ギルバートさんがコメンテーターとして出演していた頃の『サンデーモーニング』は、バランスが取れた中道番組でしたが、徐々に左翼コメンテーターの巣窟になるまで左傾化し、左翼の偏向番組となったのです。
それはマルキストでありながら番組に起用されている斎藤氏が一番よく実感しているはずです(笑)。
ここで日本の政党のイデオロギーについて具体的に言えば、自民民主党が中道、維新がリバタリアニズム、国民民主党がリベラリズムです。また、財源なき食品消費税の恒久ゼロを掲げている政党は、いずれも裁量行政で情弱を騙す左翼ポピュリズムの極致です。逆に裁量行政を排除した小さな政府で英国を救ったサッチャーと小さな政府で米国繁栄の礎を築いたレーガンはリバタリアニズムです。
なお、残念なことに、政府の裁量でサービスや物を支給するベーシックサービスを公約に掲げる中道改革連合は、中道ではなく、社会主義政党です。

