【読書亡羊】ウクライナの奮闘が台湾を救う理由とは  謝長廷『台湾「駐日大使」秘話』(産経新聞出版)|梶原麻衣子

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その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


今日のウクライナは明日の台湾

本書では他にも、1943年から終戦を迎えるまでの間に台湾から神奈川県高座地区に集められた当時15歳前後の少年たちがその後、結成した「高座会」の今日まで続く日台交流の歩みや、謝氏が「ウィンウィン」と評する日台半導体協力、日本の四季や相撲を楽しむ謝氏の日常などが綴られている。日本と台湾の「絆」を改めて確認できる「いい話」にあふれている。

また、「今日のウクライナは明日の台湾」との警鐘についても触れられている。

もしウクライナ侵攻でロシアが余裕で勝利していれば、中国が台湾進攻を加速させる恐れがあった。

そう考える謝氏は、〈「台湾進攻は日米同盟にも直接かかわる。台湾がもし守り切れなければ、民主陣営全体の敗北であり、民主の歴史の後退だ」と我々は強く訴えた〉と述べる。

まさに安倍元総理の言っていた「台湾有事は日本有事」とも重なるが、当然のことながら、台湾は当事者として日本よりも格段に台湾有事を警戒しているだろうし、その視点から見るロシアのウクライナ侵攻も切迫感をもって受け止められたに違いない。そうした台湾の視線が、謝氏の表現からは強くうかがえるのだ。

中国の情報戦が死者を生んだ

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