もし、そうでないというのであれば、その理由を精緻に示すことが必要です。財源を説明できない無責任なバラマキと消費税減税の連呼は、けっして「小さな政府」ではなく「大きな政府」へまっしぐらの左翼ポピュリズムに他なりません。
なお、寺島氏の以上の主張はもっともだと思うのですが、なぜ結論が以下のようになるのか不思議でなりません。
寺島実郎氏:まず政治の身を切る改革。国民にばらまくのはいいけど政治家自身どうするつもりなのかということ。再三言い続けていることで国会議員を100人、200人削減していかなければいけない。
国会の年間費用は1千億円強であり、これを全部減らしても、100兆円強の国家予算に占める割合は1/1000程度と雀の涙に過ぎません。むしろ少々費用をかけても優秀な議員に裁量行政を削減してもらった方が国民の利にかないます。
「高齢者医療の窓口負担の改革」という番組タブ―
目加田説子氏:政府がやろうとしていることって、当面の国民の懐具合だけをちょっとだけ潤せばいいんじゃないかという話で、本質的なところにメスを入れていかなければいけない。日本って長らく茹でガエル状態といわれている。危機に鈍感だと。だけど国民はそんな感覚では全くない。
これだけの物価高で賃金も思うように上昇しない。年金も増えない。金利も上がっているからローンも返済もどうするんだろうと。もっとずっと先の構想も描いて欲しい。茹でガエル状態なのは日本の政治家、政党なんじゃないか。国会を凌ごう、次の選挙だけを凌ごうと目先のことばかり考えている。状況認識が甘い。構想がない。長期ビジョンがない。そこに国民の根本的な不安が凝縮されている。
安田菜津紀氏:選挙前になると給付をチラつかせることが繰り返されてきた。バラマキ案が取り下げられることになると、逆により脆弱な立場にある人にかける予算の削減が掲げられることを懸念する。