韓国で「尹大統領支持」急増の理由 | 柳錫春・閔庚旭

韓国で「尹大統領支持」急増の理由 | 柳錫春・閔庚旭

弾劾無効と不正選挙の徹底検証を訴える声が韓国社会に大きなうねりを巻き起こしている。いま韓国で何が起きているのか? 韓国の外交・安保に生じた空白は今後、日韓関係にどのような影響を及ぼすのか? 韓国政治に精通する柳錫春元延世大学教授と、公明選挙大韓党の閔庚旭代表が緊急独占対談で語り合った。


文在寅前大統領よりもさらに危険な人物・李在明

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閔庚旭 実際、尹大統領の外交成果の中で最も重要なのは、韓日関係の改善と、韓米日安保体制の制度化だと言えます。トランプ大統領も、韓国と造船、原発、SMR(小型モジュール炉)などの分野で技術協力を進めることを期待していましたが、戒厳令の影響ですべてが不透明な状況となってしまっています。柳教授は、今後、韓日関係がどのように展開していくとお考えでしょうか。

柳錫春 大きな枠組みで見てみると、現在、米中覇権争いが激化し、ロシアのウクライナ侵攻以降、北朝鮮とロシア間の緊密化が進展しています。これらの状況は、当然、韓国を含む地域の外交・安全保障環境に大きな変化をもたらしています。結局、自由民主主義体制と一党独裁体制の間で新冷戦的な対立構図が形成される中で、どの陣営に属するかが極めて重要な問題となっています。尹大統領は、日本とともに、共通の同盟国である米国との安全保障協力を強化し、自由民主主義体制を守るという意志を明確にしました。しかし、この重要な時期に、韓国を導くことができる唯一のリーダーが弾劾という政治的危機に直面しているのです。そのような事態が現実になってはなりませんが、もし尹大統領が罷免され、第一野党の李在明が権力を握ることになれば、韓日を超えて、韓米日の協調も事実上終焉を迎えることになるでしょう。李在明は、イデオロギーや政治的な一貫性はもちろん、確立された価値観や世界観も持たず、ただ自らの地位を守り、権力を拡大することにのみ集中する人物です。その点では、文在寅前大統領よりもさらに危険な人間と言えます。

閔庚旭 李在明氏に対する評価については、全面的に同意します。不幸中の幸いなのは、朴槿恵前大統領の弾劾時とは異なり、尹大統領が反対勢力と最後まで戦う意志を示している点です。彼の強力な決断力が現在の支持率の上昇を引き起こしており、右派ユーチューバーや知識人、さらには支持者の結束力を前例のないレベルで強化しています。

柳錫春 閔代表は国会議員時代に韓日議員連盟で活躍され、日本に対する思いは特別なものだと思います。

閔庚旭 もちろんです。最近、日本語を非常に熱心に勉強しており、今月初めには不正選挙に関連して沖縄に取材に行ったりもしました。おっしゃる通り、韓国と日本は今、非常に重大な岐路に立っています。特に、韓米日の3カ国がすべて保守政権下にあり、基本的な理念と価値観を共有する指導者が国を導いているという点が特別です。もちろん、韓日間には歴史的に不快な過去がありますが、今は共助が何より要求される時期です。ですので、尹大統領は迅速に職務に復帰し、外交と安保の空白を埋めなければならない時だと言えます。その意味でも、尹政府に力を与えるために、トランプ大統領の象徴的な訪韓もあり得ると考えています。

柳錫春 トランプ大統領の訪韓が実現すれば、その意味は非常に大きいでしょう。個人的には、日本の変化した姿も重要ですが、何よりも韓国が反日感情を乗り越え、痛みを伴う歴史であっても真実を直視することが核心だと思います。真実を認め、向き合うことこそが韓日関係を真に改善する方法です。また、そのような真摯なアプローチこそ、両国関係を超えて、韓米日3国間の協力を同盟レベルにまで引き上げる鍵だと確信しています。

柳錫春(リュ・ソクチュン)

https://hanada-plus.jp/articles/1649

1955年、慶尚北道安東生まれ。1981年に延世大学を卒業後、米国イリノイ大学で修士および博士号を取得。1987年から2020年まで延世大学社会学科教授を務めた。政治の分野でも活動し、2017年7月から12月まで自由韓国党革新委員長、2021年4月から11月まで自由民主党最高委員を歴任した。著書に『朴正煕は労働者を搾取したのか』(2018)、『儒教と縁』(2020)など多数。2024年、韓国で出版された『ハーバード大学教授が語る慰安婦問題の真実』の共同翻訳者でもある。

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