まず、安田氏は【不法移民 illegal immigrants】を【非正規滞在者 undocumented/irregular immigrants】と呼ぶよう主張していますが、「不法移民」と呼んでいるのは必ずしもトランプ陣営だけではなく、ハリス氏も使っています。
Harris stumbles on the border when pressed on illegal immigration: 'Is a border wall stupid?'
https://www.foxnews.com/politics/harris-stumbles-border-when-pressed-illegal-immigrationVice President Harris was pressed about her border policies during a CNN town hall Wednesday evening, stumbling through an answer regarding whether she supports a border wall.
このような言葉の言い回しで政敵に悪印象を植え付けるのはどうかと思います。
ここで極めて興味深いのは、ヒスパニックが保守化しているという松原氏の見立てです。実は、新たな不法移民の入国によって損失を被るのは職を奪われる先住の合法移民です。その意味で、ヒスパニック系が不法移民の取り締まりを強化するトランプ氏に投票したのは合理的な行動といえます。
米国には、先住の移民を後続の移民よりも優遇する【ネイティヴィズム nativism】という保守的な考え方があります。この考え方を支持し、新たな不法移民を恐れているのは、安田氏がいう偏見をもった排外主義者ではなく、ヒスパニック系に代表される合法移民であると考えられるのです。
トランプ最大の関心事とは
さて、この日の「風をよむ」は、トランプ氏の大統領当選を受けて「身構える世界」をテーマとしました。