川勝知事の「真っ赤な嘘」ゴールポストを動かした決定的証拠|小林一哉

川勝知事の「真っ赤な嘘」ゴールポストを動かした決定的証拠|小林一哉

山梨県選出の中谷真一議員が静岡県がゴールポストを動かしていると批判すると、川勝知事はすぐにさま「ゴールポストを動かしたことは一度もない」と反論。 しかし、静岡県の資料を見てみると……。


ボーリングで出る水は微量

今回の『今後の主な対話項目』には、『山梨県内の高速長尺先進ボーリング、先進坑、本坑の掘削により健全な水循環への影響が懸念されることへの対応について、科学的な説明と本県等との合意(高速長尺先進ボーリングが、県境から山梨県側へ約300mの地点に達する前)』とある。
 
静岡県は昨年5月、「本県が合意するまでは、リスク管理の観点から県境側へ300mまでの区間を高速長尺先進ボーリングによる削孔(さっこう)をしないこと」とする要請書をJR東海に送っている。

いわゆる、「山梨県内の調査ボーリングをやめろ」を川勝知事は唱え続けている。
 
川勝知事は、「山梨県内の長尺高速先進ボーリングは調査に名を借りた水抜き工事であり、JR東海が約束した工事中の湧水の全量戻しは実質破綻する」と脅してきた。
 
これに対して、山梨県の長崎幸太郎知事は「高速長尺先進ボーリングは調査ボーリングであり、作業員の命を守り、科学的事実を把握するために不可欠。
 
直径12センチの穴を開けることで出る水はほんの微量であり、静岡県の懸念はあまりにも抽象的だ」と厳しく否定している。
 
2月29日に開かれた国のモニタリング会議で、JR東海は「山梨県内で山梨・静岡県境に向けて高速長尺先進ボーリングを実施しており、不確実性の低減に向けて地質の確認を行うとともに、ボーリング湧水の水量・水質を測定し、地下の状況を確認している」と説明した。
 
また、2022年12月11日に開かれた大井川流域市町長と県地質構造・水資源専門部会委員との意見交換会で、丸井敦尚委員(地下水学)は「高速長尺先進ボーリングには、もちろん水を抜く機能もあるが、地質を調べたり、断層がどこから始まるのか、あるいは工学的に崩れやすいので掘ってはいけない、地下水としてはどんな水質、水温でどのくらいの量があるかなどの機能がある」とJR東海と同じ説明をしている。
 
丸井委員も高速長尺先進ボーリングから出る水量が微量なことも認めている。
 
それでも、県は新たな「リスク管理」に入れてしまったのである。
 

川勝知事にレッドカードを

中谷衆院議員(中谷氏のHPから)

現在、JR東海は、静岡県境から手前459mの位置まで高速長尺先進ボーリングを進めている。いずれ、県境300m地点に到達する。そのときに、静岡県は山梨県の高速長尺先進ボーリングに待ったを掛けるはずだ。
 
そもそも国の有識者会議の議論47項目に、高速長尺先進ボーリングを含めて「山梨県のリニア工事」など含まれていなかった。

「本県が出した47項目の懸念事項は完璧に解消されたわけではない」などと川勝知事は言っているが、「山梨県内の調査ボーリングをやめろ」は47項目でも何でもない。「47項目」をお題目のように唱える川勝知事にちゃんと次のように言うべきである。

「勝手に、静岡県が『対話を要する事項』に入れた山梨県内の調査ボーリング中止を47項目と認めることはできない」とはっきりと言うべきである。
 
つまり、「山梨県内の調査ボーリングをやめろ」は、リニア問題の解決を遅らせるための目的で、川勝知事が「ゴールポストを動かした」だけのことである。
 
「有識者会議で出てきた47項目の論点を議論するのがゴールポストだ」というのだから、中谷氏は愚直にこの事実関係を明らかにすれば、川勝知事の真っ赤な嘘は満天下にあっという間に広がるだろう。

それも、川勝知事のほうから面会を求めてきたのである。

この絶好の機会に、中谷氏は、公開の場で対決すべきである。そこで、山梨県民を代表して、川勝知事にレッドカードを突きつけたほうがいい。(了)

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