定義:職場におけるセクハラは、「職場」において行われる、「労働者」の意に反する「性的な言動」に対する労働者の対応により労働条件について不利益を受けたり、「性的な言動」により就業環境が害されたりすることである。職場におけるセクハラには、同性に対するものも含まれる。
判断基準:セクハラの状況は多様であり、判断にあたっては個別の状況を考慮する必要がある。「労働者の意に反する性的な言動」および「就業環境を害される」の判断にあたっては、労働者の主観を重視しつつも、一定の客観性が必要である。
一般的に、肉体的接触を伴うセクハラを一回でも行えば、就業環境を害したと認定される。継続性または繰り返しが要件とされる行為であっても、「明確に抗議しているにもかかわらず放置された状態」または「心身に重大な影響を受けていることが明らかな場合」には、就業環境を害したと判断される。
また、セクハラには男女の認識の違いがあり、被害者が女性の場合には「平均的な女性労働者の感じ方」を基準とし、被害者が男性の場合には「平均的な男性労働者の感じ方」を基準とする。
つまり、セクハラは「被害者個人が迷惑と感じたか否か」が問われるわけではなく、「平均的な労働者が迷惑と感じる可能性がある嫌がらせ行為を加害者が行っているか否か」が問われることになります。野党やマスメディアが強要する「被害者が望まない行為のすべてがセクハラである」というのは俗説です。
チャン付けを不快と考える当事者は、それを直接的に、あるいは担当部署を通して間接的に、本人に伝えることが重要です。このケースがどうであったかは、個別の状況によるので、軽々に第三者が非難するのは慎む必要があります。
「チャン」「オバサン」も否定されるものではない
そもそも『サンデーモーニング』の関口宏さんも、以前はスポーツのセグメントで柔道の谷口涼子選手を「ヤワラちゃん」、卓球の福原愛選手を「愛ちゃん」と呼ぶなど、チャン付けを連発していました。
ただ、関口さんにセクハラの意識など全くなく、親しみを込めて年少者にチャン付けしていたことは自明です。
ちなみに、東京五輪時の放送ではゲスト出演した谷亮子さんに「ヤワラちゃんと言っちゃうかもしれませんが」と可否を伺い、快諾を得ていました。チャン付けは一方的に否定されるものではないのです。
同様に、先日、麻生太郎氏が上川陽子外相の仕事ぶりを絶賛した際に、上川外相を「オバサン」と呼びましたが、自立した女性である上川外相が、発言を「ありがたく受け止める」と表明している以上、これがセクハラに当たらないことは明らかです。
実際、「オバサン」という言葉は、現在でもごく普通に使われています。例えば、麻生氏の「オバサン」発言を強く批判した朝日新聞ですら次のような記事を掲載しています。