テレビの加害を決して認めない
さて、「風をよむ」のセグメントでは、「メディアの沈黙」がテーマでした。一見、TBSテレビが自己検証をして反省したかのような印象を与える内容になっていましたが、客観的に見れば、加害を認めるが責任を認めない見事な【弁解 excuse】になっていたと言えます。
日本テレビの自己検証もそうでしたが、テレビ局は、ジャニーズに問題に対して、加害を認めて反省を口にしますが、けっして責任を認めようとしません。
スケープゴートに対してはヒステリックに引責辞任を要求し続けてきたテレビが、未曽有の性加害問題を隠蔽した自身については反省するだけで終わりなのです。こんな理不尽なことはありません。
この日の『サンデーモーニング』のコメンテーターもジャニーズ問題からの論点ずらしを行っています。
メディアの沈黙 なぜ、ジャニー喜多川氏の性加害問題を報じてこなかったのか【風をよむ】サンデーモーニング | TBS NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/766254半世紀以上に及んだとされる、ジャニー喜多川氏による性加害問題。なぜ、それは報じられることなく止められなかったのでしょうか。いまだ大きな波紋が広がるジャニーズ事務所、ジャニー喜多川氏による性加害問題……
寺島実郎氏:メディアの沈黙とか忖度はジャニーズの問題だけではない。安倍一強時代に何が行われていたのか…
安倍一強時代にテレビが安倍政権に忖度することはありませんでした。そればかりか、テレビは、批判が商売に繋がる安倍政権に対しては人権蹂躙の罵りを繰り返しました。
一方、テレビは、擁護が商売に繋がるジャニーズ事務所には恥も外聞もなく性加害を隠蔽し、タレントの番組起用を忖度し続けたのです。「メディアの沈黙」の欺瞞の本質は、利益を共有する対象のみにメディアが沈黙したことに他なりません。