異様な提言と自民党山口県連からのカネ
2020年12月の三浦瑠麗の提言は、夫を含む太陽光ビジネスの事業者を有利にする具体的な提案のオンパレードだが、そのなかにひとつ異様な提言がある。
10.ゴルフ場跡地利用における環境アセスの簡易化
根拠法令等「環境影響評価法」
一度開発されたゴルフ場の跡地を利用した太陽光発電の事業計画に関しては、環境アセスメントを免除または簡易化すべき。太陽光発電とゴルフ場設備の差異に絞った簡易な環境アセスメントの実施や手続きの免除/省略を認めるべき。
三浦瑠麗は、ゴルフ場跡地をメガソーラーに転用する場合、環境アセスメントを免除すべきと主張したのである。
三浦の主張に従えば、ゴルフ場として林地開発許可を取った後に太陽光事業に転用された岩国メガソーラーは環境アセスメントを免除されることになる。
太陽光発電事業者が事業用地として狙いをつけているのは、ゴルフ場に限らない。耕作放棄地や廃業したリゾート開発予定地、人里離れた公有林・民有林など、まとまった広さを確保できる土地であればどこでも構わない。
それなのに三浦瑠麗はなぜゴルフ場に絞って「環境アセスメントを免除すべき」という提言を行ったのか。岩国メガソーラーの事業者である上海電力日本や関連事業者からの請託を受けて、極めて具体的な提言を行った可能性がないか、徹底的に調べる必要がある。
この視点から、私はある政治資金の流れに注目している。
三浦瑠麗は2017年、自民党本部と自民党山口県連から合わせて62万7580円のカネを受領している。なかでも山口県連からの受け取ったのは講師料名目で54万円と突出して多い。
2017年といえば、上海電力日本が山口県岩国市でのメガソーラー事業参入を具体的に検討し始めた時期だ。
そして2020年10月、林芳正に極めて近く、衆議院鞍替えの立役者である柳居俊学(山口県議会議長)が、岩国メガソーラーの施工業者である戸田建設幹部を地元選出の岸信夫前防衛大臣に無理矢理引き合わせたことがわかっている(詳細は月刊『Hanada』2023年3月号を参照)。
一方、三浦瑠麗は自身が司会を務めるインターネット番組で対談するなど、林芳正との個人的な交友関係を隠していない。