習近平体制の不安要素は経済
習近平体制に不安要素はないのか。
国民の不満は潜在的にあるものの封殺されていると述べたが、カギは経済にある。14億人の旺盛な国内消費により経済成長は続くとみられるが、経済安全保障の観点から中国企業との取引を制限したり禁止したりする国々が、米国、EU諸国をはじめ拡大している。
さらに、ウイグルにおける虐殺・弾圧に対し世界各国が制裁を強めており、経済的に孤立し輸出入が滞れば、中国経済は失速し国民の不満は拡大する。
そうした時に中国が国民の不満をそらすために取る行動は、台湾侵略であり反日運動であろう。日本にとって、台湾有事は日本有事であり、防衛力と抑止力の強化が対中国で何よりも重要である。
そして、過去の中国における反日運動の教訓からすれば、日本企業は中国から工場を撤退し、国内回帰を図るべきである。こうした動きは強まり日本政府も支援しているが、習近平氏の3期目にあたるこれからの5年は、これまでに想像し得なかったことが起きる可能性がある。
中国共産党大会がどのような形で終了するのかを注視し、必要な中国対策を我が国として取っていかなければならない。