「Dappi」問題の仕掛人 小西洋之こそ“人格破綻者”|岩瀬朗

「Dappi」問題の仕掛人 小西洋之こそ“人格破綻者”|岩瀬朗

2021年10月6日、立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉の両参院議員が匿名アカウントのツイートで名誉を傷つけられたとして、計880万円の損害賠償と投稿一本の削除などを求める訴訟を東京地裁に起こした。「Dappi」のどのツイートが名誉棄損なのか。安倍晋三元総理を「人格破綻者」などと罵る小西議員こそ「人格破綻者」ではないのか。「Dappi」問題の真相に迫る! (写真/杉尾ひでやHP)


「安倍真理教を打破」で大炎上!

2019年4月6日、小西氏は以下のようにツイート。
《Japan in depth での島田洋一福井県立大教授の「憲法改正と小西洋之参議院議員」という記事は私への悪質な誹謗中傷の名誉毀損記事だ。直ちに法的措置を取る。
安倍政権では、内閣法制局長官だけでなく公立大教授も国会議員に違法攻撃をする。本当に恐ろしい時代だ》

自身が批判されると激しく憤るのが小西氏の“習性”だが、他者を批判することはお構いなしである。

2021年5月26日、菅総理が意見交換などのため各大臣と昼食をともにしていることについて、
《あり得ない。コロナの国難にある中に、総理が日中に暇があるとは。無能だから暇だというほかはない》とツイートし、一国の総理を無能呼ばわり。

6月16日には自身の性格などについて、
《『国民の命や生活よりも選挙が大事』、『(国民の命が託されている)憲法なんか無視していい』という人格破綻者としか思えない安倍総理や菅総理と闘っているから人格が変わっているように見えるのでしょうか。。悩?》とツイート。

2018年7月7日には、
《オウム真理教では教祖が唱える荒唐無稽な教義に洗脳されたエリートらが大量殺人を犯した。
今の日本は、安倍総理が唱える「昭和47年見解の中に9条の基本論理が書かれている」という荒唐無稽な虚偽を各層エリートらが黙殺し、国民を戦争に巻き込もうとしている。
皆で、安倍真理教を打破しなければ》とツイートし、大炎上。

名誉を毀損しているのは、どうみても小西氏だろう。「国会のクイズ王」の異名を持つ小西氏は2013年3月、国会で安倍総理に次のように問いかけ、大恥をかいたこともある。
小西 高橋カズヒロさんという憲法学者をご存じですか?
安倍 存じ上げておりません。
小西 憲法を学ぶ学生なら、誰でも知っている学者ですよ!

高橋カズヒロなる学者は存在していなかった……。後日、小西氏は《高橋和之先生の名前を読み間違えたのは、直前に安倍総理が憲法学の第一人者である芦部信喜先生を「存じ上げておりません」と言ったのに驚愕したからです》と言い訳をしている。

立憲民主党議員の“体質”にうんざり

憲法51条は「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない」と規定し、議員に対し免責特権を与えている。だから、院内の演説や質疑のなかでどのような発言をしても、名誉毀損などに問われることはない。

しかし、これは院内での発言などに対するもので、議会活動の一環とは言えないツイッターなどでの発言は当然のことだが、一般人と同じ“常識”が求められる。その常識すらかなぐり捨て、一国の総理を「無能」「人格破綻者」と罵っているのだ。

こうした傾向があるのは小西氏だけではない。

立憲民主党の石垣のりこ参議院議員は、安倍総理が健康上の問題で辞職せざるを得なかった際、《「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」を総理総裁に担ぎ続けた自民党の「選任責任」は厳しく問われるべきです》とツイートしている。

「言っていいことなのか悪いことなのか」という幼児レベルの常識が欠如している。これ以上、ツイートを紹介することは止めるが、立憲民主党を中心とした野党議員のツイートには、相手に対する敬意などを決定的に欠いたものが多く、常に“上から目線”で批判するだけだ。

「モリカケ桜」を激しく追及してきた立憲民主党の辻元清美氏、黒岩宇洋氏、今井雅人氏、川内博史氏は今回の衆院選挙で落選。国民が立憲民主党議員の“体質”にうんざりしているからだ。「自民によるネット工作だ!」とキャンキャン吠える前に、わが身を振り返るのが先決だ。

(初出:月刊『Hanada』2022年1月号)

関連する投稿


日本人宇宙飛行士、月に行く|和田政宗

日本人宇宙飛行士、月に行く|和田政宗

今年の政治における最大のニュースは、10月の衆院選での与党過半数割れであると思う。自民党にとって厳しい結果であるばかりか、これによる日本の政治の先行きへの不安や、日本の昨年の名目GDPが世界第4位に落ちたことから、経済面においても日本の将来に悲観的な観測をお持ちの方がいらっしゃると思う。「先行きは暗い」とおっしゃる方も多くいる。一方で、今年決定したことの中では、将来の日本にとても希望が持てるものが含まれている――。


「103万円の壁」、自民党は国民民主党を上回る内容を提示すべき|和田政宗

「103万円の壁」、自民党は国民民主党を上回る内容を提示すべき|和田政宗

衆院選で与党が過半数を割り込んだことによって、常任委員長ポストは、衆院選前の「与党15、野党2」から「与党10、野党7」と大きく変化した――。このような厳しい状況のなか、自民党はいま何をすべきなのか。(写真提供/産経新聞社)


トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

米国大統領選はトランプ氏が圧勝した。米国民は実行力があるのはトランプ氏だと軍配を上げたのである。では、トランプ氏の当選で、我が国はどのような影響を受け、どのような対応を取るべきなのか。


我が党はなぜ大敗したのか|和田政宗

我が党はなぜ大敗したのか|和田政宗

衆院選が終わった。自民党は過半数を割る大敗で191議席となった。公明党も24議席となり連立与党でも215議席、与党系無所属議員を加えても221議席で、過半数の233議席に12議席も及ばなかった――。


新総理総裁が直ちにすべきこと|島田洋一

新総理総裁が直ちにすべきこと|島田洋一

とるべき財政政策とエネルギー政策を、アメリカの動きを参照しつつ検討する。自民党総裁候補者たちは「世界の潮流」を本当に理解しているのだろうか?


最新の投稿


【今週のサンモニ】トランプ叩きの予定が拍子抜け|藤原かずえ

【今週のサンモニ】トランプ叩きの予定が拍子抜け|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【新シリーズ】なべや‘怪’遺産|今宵も、UFOを探して

【新シリーズ】なべや‘怪’遺産|今宵も、UFOを探して

大人気連載「なべやかん遺産」が新シリーズ突入! 芸能界屈指のコレクターであり、都市伝説、オカルト、スピリチュアルな話題大好きな芸人・なべやかんが蒐集した選りすぐりの「怪」な話を紹介!


【今週のサンモニ】トランプ「航空機事故」会見で本当に言ったこと|藤原かずえ

【今週のサンモニ】トランプ「航空機事故」会見で本当に言ったこと|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【今週のサンモニ】「トランプ革命」を見てみれば……|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「トランプ革命」を見てみれば……|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【読書亡羊】戦後80年、「戦争観」の更新が必要だ  平野高志『キーウで見たロシア・ウクライナ戦争』(星海社新書)、仕事文脈編集部編『若者の戦争と政治』(タバブックス)

【読書亡羊】戦後80年、「戦争観」の更新が必要だ 平野高志『キーウで見たロシア・ウクライナ戦争』(星海社新書)、仕事文脈編集部編『若者の戦争と政治』(タバブックス)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!