国民民主党はリベラル政党
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図-3 日本の主要政党のイデオロギー
国民民主党は、あくまでも概して言えば、2017年衆院選後に参議院を中心とする民進党議員と大半の希望の党議員が合流して結党し、その後に立憲民主党に合流することなく最後まで残った議員で構成されている党です。
玉木雄一郎代表が反共産の中道主義を打ち出していますが、連合の旧同盟系と連携できれば、偽リベラル政党として居座る立憲民主党に代わる世界標準のリベラル政党として、政権交代が可能な政党に成長する可能性を十分に持っていると考えます。
いずれにしても重要なのは、論理的な国会議論を継続的に行うことによって、その存在を国民や支援団体に認識させることです。以上の分析結果を基に主要各党の内政に関するイデオロギーをプロットすると、図-3のようになります。
今後の世界の情報の動きを考えるに、ますます情報量は増え、その変動は多様になることが予測されます。このような状況においてまず言えることは、他者の意見に耳を貸さず、無謬性をふりかざして、人格攻撃や揚げ足取りに終始するような政党は必要ではない、ということです。
いまこそ各政党のイデオロギーを見極めよ!
今後の政治にとって必要なのは、常に他者の意見を参考にしながら自己の意見の確認・修正を行い、緊張感をもって論理的な議論に終始する複数の政治勢力が、多量で多様な情報を迅速に処理して合理的な意思決定を行うというプロセスです。
その意味で、中道の自由民主党、リバタリアンの日本維新の会、リベラルの国民民主党が作るイデオロギーのトライアングルは、国民の現実的な選択肢の範囲になる可能性があります。
どの位置のイデオロギーを選択するかは政党への投票行動によります。自民のイデオロギーを望むのであれば、自民に多くの投票を集中すればよいことになりますし、維新と国民のハイブリッド政権を望むのであれば、両党への期待に応じて投票することで、イデオロギーの位置を制御することができます。
加えて、小さな政府が創出した財源を大きな政府が有効に使うという【アウフヘーベン Aufheben】も期待できないわけではありません。
以上、本稿では日本の主要政党のイデオロギーを再チェックすることによって、日本政治の議論を建設的に進めていくに資する対立軸について論じました。日本ではイデオロギーの定義が誤解されているため、政党のイデオロギーを適正に問う実質的な議論は行われてきませんでした。しかしながら、政治の根本的な問題点を解決していくためには、イデオロギーの議論を欠かすことはできません。
残念ながら、日本国の成長が止まっている大きな理由のひとつとして、国会議論を妨害する全体主義の政治勢力がいまだに存在し、政策議論を停滞させていることが挙げられます。いまこそ国民は各政党のイデオロギーを見極め、現実的な政策政党を取捨選択する時に来ていると考える次第です。