国谷キャスターが語る「 NHK の公平性」――高橋源一郎編『憲法が変わるかもしれない社会』|編集部

国谷キャスターが語る「 NHK の公平性」――高橋源一郎編『憲法が変わるかもしれない社会』|編集部

編集部・梶原の「リベラル本 ずぼら書評」


この本のタイトルを見た時、思わず心躍りました。「憲法は1文字たりとも変えてはならず」との姿勢を保ってきた護憲派も、ようやく「憲法が変わるかもしれない」と思うところまで来たのか、と。

中身を読んだら「憲法改正のために、改正手続きの条文から変えようなんてのは反知性主義」(要約)などとあったりもして、その期待は裏切られるわけですが。

ただ、「憲法が変わるかもしれない」感は薄いものの、天皇との関係を論じている片山杜秀氏、原武史氏のパートは実に興味深いものがありました。ご興味のある方は是非。

国谷裕子キャスターのあの事件

さて、大注目なのは、これも憲法そのものとは離れてしまうものの、元・NHK『クローズアップ現代』キャスターの国谷裕子さんの章。

国谷さんと言えば、2014年7月、同番組に出演した菅官房長官に番組終盤になって「食って掛かった」ことが官邸から問題視され、叱責を受けて涙した、とまことしやかに『フライデー』で報じられたあの件を思い浮かべないわけにはいきません。

2016年3月、実に23年にわたって務めてきたキャスターを降板。同時期に政権に批判的だった岸井成格氏や古館伊知郎氏らも番組を外れたことから、国谷さんの降板も「官邸の圧力だ」と騒がれていたわけで、おそらく一部では今も「国谷の降板は菅のせい」と認識されているのではないかと思います。

高橋さんもその点、興味津々の様子で、のっけから

〈降板したというか、させられた? いきさつも、後で伺おうと思っています(笑)〉

とノリノリ。

国谷さんによるSDGs(持続可能な未来のために世界が合意した共通目標)に関する話が終わると、高橋さんが切り込みます。

関連する投稿


青山繁晴さんの推薦人確保、あと「もう一息」だった|和田政宗

青山繁晴さんの推薦人確保、あと「もう一息」だった|和田政宗

8月23日、青山繁晴さんは総裁選に向けた記者会見を行った。最初に立候補を表明した小林鷹之さんに次ぐ2番目の表明だったが、想定外のことが起きた。NHKなど主要メディアのいくつかが、立候補表明者として青山さんを扱わなかったのである――。(サムネイルは「青山繁晴チャンネル・ぼくらの国会」より)


NHK朝ドラ『虎に翼』、「婚姻は、双方の合意のみ」は歴史の捏造に近い|和田政宗

NHK朝ドラ『虎に翼』、「婚姻は、双方の合意のみ」は歴史の捏造に近い|和田政宗

6月4日放送のNHKの朝の連続テレビ小説『虎に翼』における、昭和22(1947)年の民法改正についてのナレーションが物議を醸している――。NHKはなぜ婚姻は「両性の合意」ではなく「双方の合意」とナレーションをしたのか。


望月衣塑子記者の暴走と自壊するジャーナリズム|和田政宗

望月衣塑子記者の暴走と自壊するジャーナリズム|和田政宗

ジャニーズ事務所会見での「指名NGリスト」が騒ぎになっているが、そもそも記者会見とは何か、ジャーナリズムとは何か、それらをはき違えた人物たちにより我が国のジャーナリズムが破壊されることは、ジャーナリズム出身者としても許せない。(サムネイルはYouTubeより)


NHKスペシャル『発見 昭和天皇 御進講メモ』は放送局として完全アウト|和田政宗

NHKスペシャル『発見 昭和天皇 御進講メモ』は放送局として完全アウト|和田政宗

今年も終戦の日前後のNHKスペシャルが相変わらずおかしかった。7日放送のNHKスペシャル『発見 昭和天皇 御進講メモ』を見たが、放送局として完全アウトともいうべき内容だった――。


『腹黒い世界の常識』「まえがき」を特別公開!|島田洋一

『腹黒い世界の常識』「まえがき」を特別公開!|島田洋一

「本書は、反日勢力が仕掛ける各種工作の実態を明らかにし、対処法を示すべくまとめた」国際政治学者の島田洋一名誉教授が書きおろした理論武装の書にして、戦略の書の「まえがき」を特別公開。


最新の投稿


【今週のサンモニ】反原発メディアが権力の暴走を後押しする|藤原かずえ

【今週のサンモニ】反原発メディアが権力の暴走を後押しする|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【読書亡羊】「時代の割を食った世代」の実像とは  近藤絢子『就職氷河期世代』(中公新書)

【読書亡羊】「時代の割を食った世代」の実像とは  近藤絢子『就職氷河期世代』(中公新書)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


【今週のサンモニ】臆面もなく反トランプ報道を展開|藤原かずえ

【今週のサンモニ】臆面もなく反トランプ報道を展開|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

米国大統領選はトランプ氏が圧勝した。米国民は実行力があるのはトランプ氏だと軍配を上げたのである。では、トランプ氏の当選で、我が国はどのような影響を受け、どのような対応を取るべきなのか。


【今週のサンモニ】『サンモニ』は最も化石賞に相応しい|藤原かずえ

【今週のサンモニ】『サンモニ』は最も化石賞に相応しい|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。