アフターコロナの「突撃!隣の晩ごはん」|電脳三面記事

アフターコロナの「突撃!隣の晩ごはん」|電脳三面記事

ビル・ゲイツの妹(という設定)のライターが、ネットで話題になった事を斬りまくる、人気連載「電脳三面記事」。コロナ禍で食事の環境も変化があり、それに伴って食事にまつわるコンテンツも変わっていっております。あなたの本当に食べているものを教えてほしい!


「どうつくるか」から「どう食べるか」へ

今年は、働き方や会議の仕方、通院を決断するハードルや帰省の間隔、ハンドソープの減るペースなどさまざまなものが変わりましたが、ほかにも変わったもの、あるのではないのでしょうか。

先日、これはコロナとは無関係にご無沙汰だった知人と再会し、「我々が飲みに行かないのだから、そりゃ居酒屋も潰れるよね」と合意を得たのですが、食事の環境もだいぶ変わったはずです

外食派もしぶしぶその頻度を減らしているでしょうし、自炊派も外食派の自炊派シフトを受けて、いつもなら簡単に買える食材の入手が困難だった時期は、変わらざるを得なかったでしょう。

時が過ぎ、地域によっては街の飲み屋もすっかりビフォアコロナ状態のところもあるようですが、アフターコロナで始めたステイホームが案外と心地よく、宗旨変えをした方もいらっしゃるかもしれません

いま、私が求めているのはそういうどうでもいい、埋もれそうな、でも興味深いコンテンツです。

本当かどうかは別として、ブリア・サヴァランも言うように、人が何を食べているかには深い意味がありそうに感じられてしまうから困ります

最近は対局中の棋士の食事が注目され、お辞めになると発表された総理大臣の食事も病状とともにやれフレンチだステーキだと注目され、一時期ブームとなっていたグルメ漫画とは一線を画した『孤独のグルメ』や『きのう何食べた?』なのもそのせいでは。

たぶん、どうやってすごく、またはけったいにつくるかよりも、何をどうやって食べるかのほうに人々は面白みを感じ始めている、あるいは回帰しているのかもしれません

ですから『きのう何食べた?』は、初期の頃のように、レシピを適当に戻していいと思います。あるときからやけに細かく記述されるようになって、ああ、読者のご意見によって変わってしまったのだなと残念でした。

あと、簡単なものをどうやって普通につくるかについては、いまのところ、土井善晴先生とイナダシュンスケ先生にお世話になっております。

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「映え」ではないものを見たい!

『週刊新潮』の連載『私の週間食卓日記』は、いま、手元のモノを確認しましたら1135回も続いています。年50冊の発行として計算しても、22年以上も続いている。高山正之先生の『変見自在』ですら1000回に届いていないのですから、長寿と言っていいでしょう。

このページを毎号じっくり観察していると、「インスタ映え」なる言葉ができ、それが単に「映え」と略される遙か昔前から、この連載のために「映え」を意識したんだろうなと思わせる方々と、本当に普段からこうなんだろうなと思わせる方々がいらっしゃいました

そのチョイスから、面白い人だなと思ったり、案外とつまらない人だなと思ったりもして、勝手に親近感を覚えたり、がっかりしたりしているのです。

ただ残念なのは、この連載では、ある一週間という「点」しかわからないこと。そうじゃなきゃこんな仕事受けないよという声も聞こえてきそうではありますが、でも、今回のような変化を挟んで、その点がどう変わったのか、知りたいし見てみたいのです。

じゃあ有名人のインスタでも見ればいいじゃないのとなりそうですが、やっぱりあそこは「映え」の舞台で、ぜーったいに、サトウのごはんとテイクアウトの総菜とか、喫茶店のモーニングのような夕食とかには、なかなかお目にかかれません。ブログと日記の違いですね。

以前、インスタの料理写真は実態を反映していないのでマーケティングには使えないと耳にしたことがありまして、その観点で言えば、実際のビフォアと実際のアフターが分かればアフターコロナの時代のヒット商品が作れるのではという話になりますが、役に立たなくとも、ただのコンテンツとして提供されたいなと思うのです。

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