編集部・梶原の「リベラル本 ずぼら書評」 『面従腹背』
引っ張りだこの前川さん
いわゆる護憲派・リベラル業界では講演ひっぱりだこ状態の前川さん。一度、「前川喜平×望月衣塑子×寺脇研」という夢の顔合わせの会があったのですが、なんと会場満員で入れませんでした。大人気!
その前川さんが繰り出した本書。一体どんなことが書いてあるのか!
基本的には「僕の面従腹背の仕事の記録」と言った様相。しかし社会人になれば、誰でもどんな環境でも、少なからぬ「面従腹背」の場面はあるのではないでしょうか。
「俺はAがいいと思うのに、上司はBがいいって言うんだよ……分かってねぇよな」という巷によくある愚痴を、「教育」というステージに載せて語るとこうなるのかという印象。もちろん教育は大事で、勉強になった部分もあります。
本書を読んでいると「……立派ね。でもできなかったんでしょ?」と言われてヤケ酒を飲む前川さんが目に浮かぶようです。
ある節などはズバリ〈やりたくなかったユネスコ憲章改正〉。ストレートすぎませんか。ちなみに、そんな前川さんが、もっともやりたくなかった仕事は、2006年の教育基本法改正だそうです。
一方で、リベラル勢からはどつかれそうな教育方針に関して、自身が「面従腹背」ながらもかかわった案件については華麗なるスルーを決めております。