「実子誘拐ビジネス」の闇 ハーグ条約を“殺した”人権派弁護士たち|池田良子

「実子誘拐ビジネス」の闇 ハーグ条約を“殺した”人権派弁護士たち|池田良子

「実子誘拐」告発キャンペーン第2弾!なぜ日本は「子どもの拉致国家」と呼ばれているのか。その裏には、ハーグ条約を“殺した”人権派弁護士たちの暗闘があった――。なぜ人権派は共同養育に反対するのか。子どもの権利をどう考えているのか。海外のケースだけではない。国内でも「実子誘拐」は日常的に行われているのだ。実名告発!誰も触れられなかった禁断の扉がついに開かれる!


ちらつく公明党・創価学会の影

Getty logo

なぜ、ここまで外務省は、「実子誘拐のやり口」を堂々と教える芝池弁護士を大切にするのか。

その答えとも考えられるのが、彼のバックグランドである。

雑誌『第三文明』の2015年5月号を読むと、「SOKAグローバルアクション」として芝池弁護士が創価学会学生部主催のシンポジウムで講演している。

創価学会員でない者が学生部主催の会合で講演する可能性もないわけではないので、彼が学会員かどうかの断定はできない。ただ確実に言えるのは、芝池弁護士と公明党・創価学会はかなり近い関係にあるということだ。

そして、公明党・創価学会は、外務省とも非常に近い関係にある。

たとえば、上記の公明新聞のなかで、全国女性シェルターネットの土方は「山本(香苗)議員や大口(善徳)議員ら公明党の皆さんが一番私たちに親身に対応してくださり、何度も外務省につないでいただきました」と書いている。

それで思い出したのが、ある講演録である。その講演録などによると、1970年代、創価学会は、官僚や法曹会など、国家権力の中枢に学会員を送り込み、創価学会があらゆる分野で世界を牽引していく『総体革命戦略』を打ち出したとのことである。

特に重視したのが法曹会と外交官で、国家試験を突破させるために、学生部に「法学委員会」といった勉強会サークルを発足させるとともに、司法試験に合格した学会員は「自然友の会」「旭日グループ」という組織で、外交官や外務省採用試験に合格した学会員は「大鳳会」という組織で統轄されているという。

この講演内容の真偽を確かめる術は私にはない。また、仮に真実であっても、それ自体が直ちに問題となるわけではない。しかし、仮に創価学会が送り込んだ法曹界と外交官の人材が共謀し、日本人による実子誘拐を国内外で行うことに加担した結果、世界各国から「子どもの拉致国家」と非難されるほどの国益の損失を招いているのであれば、それは極めて大きな問題だ。

昨年12月号の『第三文明』で「子どもの権利条約30周年」を特集しているように、創価学会は子供の権利擁護に熱心な団体。公明党も然りである。にもかかわらず、このような子供を痛めつける悪事に加担しているのであれば、それは実子誘拐ビジネス勢力に騙されているとしか考えられない。実子誘拐や親子の関係断絶は、子どもの権利条約9条に違反する重大な人権侵害である。

そのことに早く気づき、早急にそのような勢力と手を切り、子どもの権利の擁護者としての本来の姿を取り戻してもらいたい。

同様のことは外務省にも言える。

外務省は、「実子誘拐ビジネス」勢力などに蹂躙され、本来の役割を完全に見失ってしまっていると言わざるを得ない。

彼らの頸木から早急に脱し、ハーグ条約違反のおそれの高い国内実施法28条の改正を早期に行うとともに、法務省を通じ、最高裁判所に対して、実子誘拐や親子断絶は人権違反であり、国際ルールに違反すると伝えて、早急に裁判の運用を改めるよう求めるべきである。

一刻も早く正常な機能を取り戻してもらいたい。

(初出:月刊『Hanada』2020年6月号)

月刊『Hanada』2020年6月号

著者略歴

関連する投稿


ミツカン「種馬事件」、再び、敗訴|西牟田靖

ミツカン「種馬事件」、再び、敗訴|西牟田靖

2013年、中埜大輔さんは、ミツカンの創業家出身のオーナー経営者である中埜和英会長の次女、聖子さんと結婚、翌年には男の子が誕生した。だが、彼の人生は義父母によって破壊された。生後4日目の子供を義父母の養子に差し出すよう強要されたのに始まり、別居の命令、離婚の強要、親子引き離し(実子誘拐)を目的とした日本への配転、告発報道の取材に応じたことを理由に即日解雇――。まるで中埜一族に「種馬」のように使われ、放り出されたのだ。


【赤いネットワークの闇】仁藤夢乃の師匠と〝西早稲田〟|池田良子

【赤いネットワークの闇】仁藤夢乃の師匠と〝西早稲田〟|池田良子

〝西早稲田〟をはじめとする赤いネットワークの危険を察知していた安倍元総理。だが、自民党議員の多くは無関心か無知である。北村晴男弁護士は言う。「詐欺師に一見して『悪い人』はいない。『いい人』だと思われなければ人を騙すことなどできないからだ」。(サムネイルは仁藤夢乃氏twitterより)


【ファクトチェック最前線「特別編」】共同親権の核心を〝報道しない自由〟|新田哲史

【ファクトチェック最前線「特別編」】共同親権の核心を〝報道しない自由〟|新田哲史

虚偽事実にしろ、偏向報道にしろ、オモテに出ている〝ファクト〟は検証しやすい。しかし世の中には、メディアが存在をひた隠しにするファクトも。ネットでは「報道しない自由」と揶揄するが、最近筆者がその対象になっていると感じるのが共同親権の問題だ。


「共同親権」を潰す赤いネットワークと北朝鮮の家族法|池田良子

「共同親権」を潰す赤いネットワークと北朝鮮の家族法|池田良子

日本共産党や社民党に近い「赤いネットワーク」はなぜ、離婚後共同親権制に反対するのか。彼らの本当の目的は、「離婚後も男性による女性と子供の支配が継続することを断固阻止する」ことにある――。(画像は駒崎弘樹氏twitterより)


ミツカン「種馬事件」 まさかの敗訴|西牟田靖

ミツカン「種馬事件」 まさかの敗訴|西牟田靖

2013年、約1年間の交際を経て、中埜大輔さんは、幸せな家庭を築けると信じて聖子さんと結婚する。だが、彼の人生は義父母であり、ミツカンの会長・副会長でもある和英・美和氏によって破壊された――。


最新の投稿


【今週のサンモニ】反原発メディアが権力の暴走を後押しする|藤原かずえ

【今週のサンモニ】反原発メディアが権力の暴走を後押しする|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【読書亡羊】「時代の割を食った世代」の実像とは  近藤絢子『就職氷河期世代』(中公新書)

【読書亡羊】「時代の割を食った世代」の実像とは  近藤絢子『就職氷河期世代』(中公新書)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


【今週のサンモニ】臆面もなく反トランプ報道を展開|藤原かずえ

【今週のサンモニ】臆面もなく反トランプ報道を展開|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

米国大統領選はトランプ氏が圧勝した。米国民は実行力があるのはトランプ氏だと軍配を上げたのである。では、トランプ氏の当選で、我が国はどのような影響を受け、どのような対応を取るべきなのか。


【今週のサンモニ】『サンモニ』は最も化石賞に相応しい|藤原かずえ

【今週のサンモニ】『サンモニ』は最も化石賞に相応しい|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。