『サンデーモーニング』は長きにわたって、沖縄基地問題を散々政治利用してきました。その典型的な言説が次のようなものです。
畠山澄子氏:選挙で基地よりも経済が選ばれたという表現が目立つのですけれども、あえて1番を選べと言われた時に、この状況で経済を選んだ人が半数以上いたということは驚かないですし、でもそれが必ずしも経済だけが選ばれたということと同義とは思わないですね。
そもそも21%がそれでも基地問題を取り上げて欲しいと言ったことも小さくないと思います。そういったことも含めて今回の選挙が沖縄の人にとって物凄く悩ましくて引き裂かれるような決断をさせられて、しかもどちらを応援しても人間の凄く醜い所を見せられるみたいな選挙であったということ。
そういう構造の中で、本来思っていることとか、日々経験していることを素直に表現することも憚れるような状況が生まれたということかなと。
その事実と長年にわたって創り出してきた本土の責任を軍事的合理性の前に直視しないといけないかなと思っています。
普天間基地の問題が顕在化してから、左翼政治家・マスメディア・活動家は、このような沖縄県民に被害者意識を持たせると同時に本土の人々に罪悪感を持たせるような感情に訴える不毛な善悪二元論を展開し続けてきました。
このことは、合理的な議論を遠ざけ、辺野古移設問題を不必要に混迷させる原動力となってきたと言えます。
ここで、斎藤幸平氏が異論を唱えます。
斎藤幸平氏:結局、沖縄の方達は、基地反対という意思表明をしても、それは結局踏みにじられてきたという中で、既知の問題が動かないから、知事を変えて所得倍増という考え方の下で、経済にあれば、何か少し変わって行くのではないかという期待が古謝さんの当選に繋がったと思うんですよね。
かたや、それと比べると、リベラル左派の側は、30年間の変化を踏まえた議論が全くできていない。
正直、ただずっと同じように、「九条を護ろう」「平和を守ろう」「辺野古反対」というような原理原則をいつまでも繰り返していたら、若い人達には響かない。「革新」と言われていたのに、いつの間にか「保守」みたいな感じになっている現状があって、同じ言葉、同じやり方で訴え続けるよりは、変わらないという現状に打ちのめされて、変化を求める人達には響かない。このまま行くと、リベラル左派はもっともっと高齢化して行き、解体するだけという危機感を持っています。
これは全くおっしゃる通りで、今どき思考停止にスローガンを叫んでも、その根拠を合理的に説明しない限り、多くの若い人達に響くことはないと考えられます。
『サンデーモーニング』も30年前とまったく変わってなく、現在でもひたすら合理的な根拠を示すことなく基地移転に反対する姿勢を見せています。そんな中、「基地の軍事的合理性が失われた」などと根拠薄弱に主張するのはどうかと思います。
今回の選挙において、左翼政治家・マスメディア・活動家は、過去とは異なり、辺野古を争点としませんでした。勿論それは、辺野古ダンプ事故と辺野古転覆事故の欺瞞を有権者に認識されることを恐れたためと考えられます。自ら争点化を避けておいて、選挙が終わったら「基地問題を争点とすべきだった」と主張するのは調子が良すぎます。
今回の選挙で玉城デニー氏が古謝氏を明確に上回ったのは70代以上のみであり、50代以下の世代については古謝氏が圧勝しています。


