ゲーム理論による自民党・社会党・さきがけによる連立政権形成の分析
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-07720045/本年度の研究では、(1)新聞社が行った国会議員に対するアンケート調査のデータを下にした政党間の競合空間の構造分析と、(2)この結果を下にしたゲーム理論による分析を行った。まず、第1に、朝日新聞が1994年の6月の連立政権形成の直前に国会議員に対して行った調査をデータとして、各党間の競合空間の構造を分析した。具体的には、数量化4類を用いて各党間の親近度のデータを分析し、2次元の政党間の競合空間を導き、この空間座標における各党の位置を定めた。この分析において導出された第1次元の軸は、55年体制以降のイデオロギー配置を示すものとして解釈することができる。第2次元の軸は、直前の連立政権に対する態度を示す軸として解釈することができた。第2に、この競合空間内における各政党の位置をもとに、連立政権の形成をゲーム理論で説明することを試みた。1994年6月の連立政権の形成が、ある種の驚きを持って捉えられていたにもかかわらず、この2次元の空間内における距離と政権維持に必要な議員数の2つの条件を組み合わせた効用関数を前提として、自民党・社会党・さきがけの3党による連立政権の形成が、自然な均衡として導出することができた。しかしながら、政党の競合空間における第1次元の距離と政権維持に必要な議員数との2つの条件による効用関数では、この3党の連立政権の形成は自然な均衡としては導出することができなかった。その点では、イデオロギーが隣接する最小勝利連合モデルでは説明として不十分であり、先行した連立政権に対する態度要因を組み入れる形での修正が必要である。
「論点のすり替え」批判こそ論点のすり替え
さて、【論点のすり替え red herring / ignoratio elenchi】とは、論点とは異なる印象的な話題に誘導して注意をそらすことで論点から逃げることです。

情報操作と詭弁 > 論点の誤謬 > 論点回避 > 立証責任の転嫁 薫製ニシン Red herring / Ignorat
「企業・団体献金の協議が進まないから、定数削減の話に持っていくのはすり替え」という言説は非論理的です。
なぜなら、「企業団体献金禁止」と「定数削減」はまったく異なる論点であり、自民と維新は、「企業団体献金禁止」については棚上げにし、「定数削減」については実現を目指すことをそれぞれ決めたに過ぎません。
これを「論点のすり替え」として批判することこそ、論点のすり替えによる悪意のプロパガンダです。連立政権成立のプロセスにおいて、政党は論点のすり替えを行う必要はないのです。