合衆国市民の非正規移民に対する認識
しかしながら、合衆国市民、特に正規移民の非正規移民に対する認識は『サンデーモーニング』とは大きく異なります。
6月13日、『Newsweek』は全米における最新の世論調査結果を基に米国の移民問題について次のように報じています。
https://www.newsweek.com/donald-trump-immigration-immigrant-voters-2084425
(移民はトランプ氏の移民取り締まりを歓迎している))
まず、トランプ氏は大統領選において不法移民の大量強制送還を公約にして当選しました。不法移民の取り締まりについては、正規移民を含む国民から一定の支持があることがいくつかの統計から明らかになっています。
正規移民の有権者を対象にしたANESの世論調査に対するCNN記者の分析によれば、2020年の段階で、民主党は共和党に対して移民政策で32ポイントの差でリードしていました。
しかしながら、現在では共和党が民主党に対して逆に8ポイントの差でリードしています。つまり、40%の正規移民が民主党の移民政策から共和党の移民政策に支持を変えたということです。
経済政策で国民から批判されているトランプ氏ですが、こと移民政策に関しては、正規移民の支持を大幅に増やしているのです。
6月4日~6日に実施されたYouGov/CBSの世論調査では、トランプ大統領の強制送還政策を支持する合衆国市民は54%であり、ICE(移民・税関捜査局)による捜査にも51%が賛成しています。また、RMGの世論調査では、強制送還政策への支持が58%となっています。
専門家によれば、正規移民は、バイデン政権下で制定された移民制度は破綻した不公平なものと認識してトランプ氏を支持しているとのことです。ルールに従って入国した正規移民が、ルールに違反して入国した非正規移民に対して不満をもつのは無理もありません。
米国で平穏に暮らす正規移民にとってみれば、その評判を理不尽に低下させて生活を脅かしている一部非正規移民は迷惑な存在なのです。
非正規移民の犯罪率
ただ、以上の議論において欠けているのが、非正規移民が実際に危険な存在であるかということです。
リバタリアンのシンクタンクであるケイトー研究所によれば、米国生まれ(ネイティヴ)・正規移民(合法移民)・不正規移民(不法移民)の刑務所への収監率は次の通りです。