寺島実郎氏:我々は冷静に安倍政治を総括すべき時に来ている。政治家の評価というのはそういうものだから。僕はリーダーと国民が賢くないと国は一気に埋没して迷走するという思いで安倍政権の8年間を振り返ると、例えば、外交については、ロシアの混乱を見ると、クリミア併合という2014年がものすごく重要だった。
あのとき、日本だけが先進国の中でプーチンを黙認してしまった。それがプーチンをして増長させた。
寺島氏は、クリミア併合時に「日本だけがプーチンに沈黙して増長させた」として、安倍氏をウクライナ戦争の元凶であるかのように非難しました。
これは今週の主張とは真逆です。ロシアに沈黙しても上から目線で非難し、対峙しても上から目線で非難する。
つまり、寺島氏は、世界秩序に対する一貫した理念を持っているわけではなく、大言壮語のご都合主義で安倍氏と岸田氏を言いたい放題に批判しているだけなのです。
何を発言しても他の出演者から反論されることなく強く賛同だけされるこの番組に長期間出演していれば、いつのまにか自分を無謬で全知全能の存在と勘違いし、このような矛盾した発言も何とも思わなくなるのかもしれません。
個人ブログ「マスメディア報道のメソドロジー」にて、論理学や心理学の定義に基づいた、メディアの報道・政治家の議論における論理的誤謬などの問題点を指摘。「ひるおび」「報道ステーション」「NEWS23」「サンデーモーニング」などの具体的な放送内容や議員の答弁、記者の発言などを例示しての論理的な分析が話題を呼んでいる。記事の一部を言論プラットフォーム「アゴラ」にも転載中。