保守が絶対に手を組んではならない団体
もうひとつの原因は、実に多くの大阪自民候補者が「アップデート大阪」と手を結んだことです。自民党主導で維新 vs反維新の対立構造を構築する必要がありましたが、これを構築せずに、任せてはならぬ勢力に自らのオールを任せてしまったのです。
アップデート大阪という政治団体は、一部の財界、連合等の労働団体、部落解放同盟関係者などのような大阪で様々な地域活動をしている諸団体から構成される、左翼思想を持った活動家団体の集まりです。
公安調査庁監視団体もアップデート大阪の動きには理解を示し、共闘しているのではないかという情報も入っておりました。 表向きには、反維新の市民団体、しかしこれはカモフラージュされているだけで、保守勢力が絶対に手を組んではならない団体なのです。 しかし大阪自民はここと手を結んでしまった。
アップデート大阪から大阪府知事候補者となった谷口真由美氏はコメンテーターとしてあらゆる番組で安倍政権をコケ下ろし、自民党憲法草案に対して、「お笑い自民党改憲草案」と題し、「笑った後で怖くなる」などと揶揄する本を出版した人物です。
自民党としては天敵。なぜ、彼女を応援することとなったのでしょうか。
実は多くの方が正確にご存知ない事実があります。大阪自民は谷口真由美、北野妙子両氏に推薦を出していません。 しかし、今回の前半戦では、大阪府議選では13人(うち10人が落選)、大阪市議戦では17人(うち8人が落選)の自民党候補者が、アップデート大阪から推薦を受けているのです。
よって、大阪自民としては、両氏に推薦は出していないが議員候補者が推薦をもらい、支援を受けているのでそのお返しに応援をしていたと見たほうが良いでしょう。自主投票とは言いながらも大阪自民が応援した背景にはこの構図があったのです。
選挙に勝つことは最も大切なことです。あらゆることに優先されることです。しかし、「左派勢力に魂を売ってでも勝つ」という見え透いた下心が、古くからの自民党支持者から拒否されたのです。 多くの大阪府民はこれを見抜いておりました。
ただでさえ自民党支持者の3割から4割は維新に投票します。 しかし今回は7割以上が維新に票が流れたと分析しています。
「あちら側」に行ってしまった北野妙子候補
アップデート大阪の推薦を受けた谷口知事候補は、吉村候補の6分の1の得票。 北野市長候補は、当選した横山候補の3分の1の得票。 目も当てられぬ大惨敗の余波を、大阪自民が一滴残らず被ってしまったということなのです。
私がこの大阪自民の惨敗を確信した瞬間がありました。 それは北野候補が自民党を離党した瞬間です。大阪市外在住の私のところにもたくさんの問い合わせがありました。この動きが後の大阪自民全体の選挙戦に影響を及ぼしたのです。北野候補は、大阪市議会議員として立派な方でした。確かに保守派から指摘されているように典型的な親中派です。
私と対中政策においては全く意見の違う方でしたが、それ以外の政策では共感できるところも多く、バランス感覚が取れた尊敬すべき議員でした。 大阪市長選挙への出馬を決めた際、ようやくご決断されたと私はむしろ喜んでおりました。
大阪市民ではないが、何か応援したい、応援して市長になれば、維新市長では叶わないが北野市長であれば面談も叶う。対中政策に関して私がブレーキ役にもなれるだろうとも思っていました。
しかし、北野氏が自民党を離党した瞬間、その気持ちが吹き飛びました。下心が見えたからです。間違いなく共産党をも含む勢力から支援を受けたかったに違いありません。 自民党に残る一分の魂を持ってさえいれば、自民党支援者も応援したでしょう。 しかし、自民党籍を捨てた瞬間、魂もそっくりそのまま「あちら側」に行ってしまったと確信したのです。
実は今年3月3日、私の大阪市内でのパーティー開催直前、北野議員に挨拶させてくれないかという打診がありました。 しかし私は前述の理由で丁重にお断りをした経緯があります。 了承すれば私の後援会が空中分解いたします。正気であれば誰もが同じことを考えたと思います。
しかし、正気を失い、北野候補とともに、選挙戦に突入してしまえば、今回の結果の通りになることに気づかないほど軸がブレ切っていたのだと思います。