生き残ったこと自体奇跡
イナズマギンガー。誕生から今年で42年!
今回紹介する最後の逸品は、スーパー戦隊シリーズの5作目『太陽戦隊サンバルカン』(1981)、第45話『銀河無敵の電気男』に登場した宇宙海賊のイナズマギンガーだ。
サンバルカの後半に登場し最終回直前まで物語を盛り上げてくれたキャラなので人気が高いと思う。当時から自分はイナズマギンガーが大好きだったのでこれ以上劣化して崩れてしまわない事を望む。
昭和の特撮作品のキャラクターが現存している事は凄い事だ。特にラテックスやウレタンで作られた物が今なお残り続けている事はほぼありえない。
当時の怪人は、撮影後はショーで全国ドサ周りをするのでマスク内は汗を吸い込み表面は擦り切れウレタンはボロボロになりラテックスはベトベトになるので生き残ったこと自体奇跡。
最後にこれだけは言っておきたいという事がある。昭和の撮影用プロップは劣化し保存が本当に大変だ。保管し残し続けている事はお金もかかる。
光熱費が高くなっているのに室温管理しなくてはならない。今年の夏のことを考えると頭が痛い。
イベントや本などで「展示に貸してください」とか「写真掲載させて下さい」と言ってくるのは良いが、合言葉のように「予算が無いので」とか「無償で」と言うのは物やコレクターに対するリスペクトが無いって事だからね。100歩どころか1万歩譲って、こちらがそれを受け入れたとしよう。
その時は物に対して敬意を払い「唯一現存する昭和の…」とか特別扱いしてほしい。それをしてくれない人には貸したくないし、こちらも将来的には「日本に残さず海外に売ろう」とか「俺が死んだらゴミとして捨ててもらう」って考えてしまうもん。
毎度毎度、これ以上俺を意固地な爺にさせないでくれって思うからね。昭和時代から現在まで続いているキャラクターのシリーズは、昭和の物があって今があるのだから。人のふんどしで相撲を取るなら、きっちりした礼儀とリスペクトを示すべきだ。それが物やキャラに対する愛情だと思う。
でも、これもコレクターとそうでない人の温度差なのかもしれない。今回は物と自分の恨み節だね。
イナズマギンガーの声をやった渡部猛さんのサイン。最近入手したもの。渡部さんは2010年に亡くなられた。
昭和45年8月22日生まれ。たけし軍団初の2世タレントとして、91年デビュー。趣味の特撮キャラ収集では、30年以上前から専門誌やイベントで資料提供している。主催のお笑いライブは、個人主催では最長記録である。