なべやかん遺産|「エモリ宇宙人」

なべやかん遺産|「エモリ宇宙人」

芸人にして、日本屈指のコレクターでもある、なべやかん。 そのマニアックなコレクションを紹介する月刊『Hanada』の好評連載「なべやかん遺産」がますますパワーアップして「Hanadaプラス」にお引越し! 今回は「エモリ宇宙人」!


イラストレーターのエモリハルヒコ氏。

宇宙人が夢に……

宇宙人に誘拐されインプラントされたという人は、たま~にいる。

矢追純一さんのUFO特番がテレビで放送されていた当時は、放送中や放送後に「私は宇宙人と地球人のハーフです」といったような電話があったと聞いている。

宇宙人に脳内を洗脳された人達は多々いるが、友人のエモリハルヒコというイラストレーターもある意味脳内を宇宙人に洗脳された一人だ。

エモリ氏は10年前からイラストレーターとして宇宙人のデザインを沢山描いている。
どちらかといえば引き篭もりで人見知りな性格だが、たまに世に出て絵芝居というシュールな紙芝居をまったりとやっている不思議な男。

そんな男が何故宇宙人を描きだしたか今まで真剣に聞いた事がなかったので、本気で聞いてみると事にすると、これまでエモリ氏が語ってこなかった陰の部分をさらけ出すかのように語り出した。

「UFOや宇宙人に興味を持ちだしたのは小学生の頃でした。これは子供によくある興味と同じです。中学になり異性を意識しだした頃、変な夢を見ました。真っ暗な空間に横たわらされ、隣に下着姿の女性が寄り添いました。女性はブラを外し、私に抱きついて来ました。顔はハッキリと見えませんでしたね。
むしろ、体を見ようと私は必死で胸に釘付けです。そして私は今まで味わった事がない、とても良い気持ちになりました。その瞬間、女性の顔がハッキリと見えたのですが、目が大きくSF映画に出て来るような宇宙人だったのです。この時が初めての夢精でした」
 
とても嫌な話を聞かされて不愉快だったが、宇宙人が少年の心にある種のトラウマを作った事だけは理解出来た。

この時、エモリ氏は、人間に様々な顔や体型や肌の色があるように、宇宙人にも様々な種類がいるのではないかと考えるようになり、それと同時に人間の先祖は宇宙人であるかもしれないと感じるようになった。
 

1000種類以上の宇宙人デザイン

時が経ち、少年は大人になり35歳になっていた。イラストレーターとして10年が経っていたがバイト生活は続いていて、仕事はAV撮影現場のADをやったり、AVのモザイクがけをしていた。

帰宅後はイラストレーターとして創作活動。当時描いていたのは『ハマグリさん』という貝をモチーフにしたキャラクターだった。日々、様々な貝を目にしキャラクターにする生活をしていると、思春期に感じた気持ちが蘇って来た。

「貝に色んな種類があるように、宇宙人にも色んな種類がいる!」

それから様々な宇宙人をデザインするようになった。デザインを始めると横浜石川町の古着屋『チングルベル』とコラボし宇宙人Tシャツと宇宙人バッグを販売。その後、ポストカード、シール、缶バッチ、宇宙人の石を次々と発売。

河原で拾って来たそれっぽい石に合う宇宙人の缶バッチとセットで販売していた。石を売っての生活は、かつてのワハハ本舗の劇団員を思い出す。ワハハの皆さんも舞台公演の物販でお客さんに石を売ってお小遣い稼ぎしていたな。仲間の貧乏芸人の間でさえ「石を売りだしたら終わり」と言われている。(笑)
 
艱難辛苦の末、10年が経った。宇宙人デザインをどうにかしたい。10年の間に1000種類以上の宇宙人デザインが出来上がった。(本人は1000体と豪語しているが怪しい)新たな展開をしないとこの先イラストレーターとしての未来も無いと追い詰められたエモリ氏はついに重い腰を上げる。

2022年、宇宙人デザインを始め10年という節目にLineスタンプを2月に発売。てるてる坊主のようなヒューという宇宙人の癒し系スタンプだ。

そして、ソフビ人形を作り販売する事にした。6~7年前、メディコム・トイの代表・赤司さんとエモリ氏を交え食事をした時に「沢山の宇宙人が立体化されたら面白いですよ」と言っていたのがずっと心に引っかかっていた。

オリジナルソフビで大成功しているアートジャンキーの加藤さん、ここ最近怒涛の勢いで爆進中のレッドシャークの近藤さん、下北沢にソフビ旋風を巻き起こしているSWINGTOYSの白神さんにアドバイスをもらい、去年3月から粘土原型を作り始め今年の頭に原型が完成した。

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