組織委が懸命に準備を重ねる安全対策に目を向けず、不安を盾に中止を叫ぶ全体論こそ危険ではないだろうか。詳しい情報も得ず、精査もせず、不安や怒りから反対を叫ぶ世論こそ、そしてそんな世論を煽る意図的なメディアこそ危うい。この矛先が東京五輪でなく、軍拡や戦争容認であったらと思うと背筋が凍りつく。
1956年、新潟県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。マガジンハウスで「ポパイ」のスポーツページを担当。筑波大学体育研究室で研究生となったあと、文藝春秋で「Sports Graphic Number」編集部を経て、84年、独立。『「野球」の真髄 なぜこのゲームに魅せられるのか』(集英社新書)など著書多数。