【偽善者列伝】浜矩子、反安倍なら何でも許されるのか|加地伸行

【偽善者列伝】浜矩子、反安倍なら何でも許されるのか|加地伸行

加地伸行「マスコミ偽造者列伝ー建前を言いつのる人々」


浜矩子、反安倍なら何でも許されるのか

マスコミ偽善者列伝 建て前を言いつのる人々

話題沸騰中! 加地伸行『マスコミ偽善者列伝 建て前を言いつのる人々』より

「どアホノミクス」の末期症状

書店に寄ると、1時間は立ち読み。今回、浜矩子「どアホノミクスの『女性活躍』に騙されるな!」(『サンデー毎日』平成29年1月8・15日合併号)には驚いた。

原稿表題中の、人を笑わせようとした「アホノミクス」は、浜某の造語らしい。それに編集部が「ど」を加えたのかもしれない。

それはともかく、「どアホノミクス」という表現には品がない。もちろん、表現の自由があるからそれは勝手。だが、品のない表現でも、巧まざるユーモアが漂ってこそ笑いを取り、みなを楽しましてくれる。しかし、「どアホノミクス」ということばには、笑いがない。下手な喧嘩を売っている姿だけ。「アベノミクス」と「アホノミクス」とを重ねた駄洒落では練度が低い。いや、あえて言えば、笑いのセンスがない。それは物事の表面しか理解できていないことを示している。

事実、浜某の所説は、安倍政権の施策に対する単純な全面否定だけであって、ではどうするのかという己れが考え出した具体的提言がない。政権の施策への建設的批判ではなく、単なる否定では、それこそいつか来た道を想い出させる。すなわち落ちぶれた旧社会党(現在の社民党)のなんでも反対路線。それは裏返せば、無能ということ。

論理性なき「戦前回帰」論

浜某は、安倍政権は「大日本帝国に立ち戻るという大方針に従っている」と明言している。これに対し、サンデー毎日の記者が大日本帝国とは大げさな比喩表現ではないかと心配気に問うているが、浜某は「微塵もそうではありません」と断言している。

その根拠はと言えば、「安倍首相が『戦後レジームから脱却する』と言っている以上、それは戦前に戻ることを意味するとしか解釈できません。戦前とはすなわち大日本帝国となる」と答えている。

老生、これほど単純な頭の構造の大学教員がいることが信じられない。「戦後レジームからの脱却」が、なぜ即戦前体制化となるのか。歴史は時間の経過に由る変化を必然的に与える。安倍首相は、現状から、戦後に加えられた悪しきものを取り除きたいと主張しているのである。あくまでも歴史的現在に立脚しているのであって、大日本帝国復帰などそれこそ〈微塵も〉企図していない。

大日本帝国──それは大日本帝国憲法(いわゆる明治憲法)に基づく体制である。

となると、天皇は「立法権ヲ行フ」・「陸海軍ヲ統帥ス」・「戦ヲ宣シ」、そして「日本臣民ハ……兵役ノ義務ヲ有ス」、また「貴族院」を作り「華族」を置くこととなる。そうなることを安倍首相が企図しているということを、実証的に論理的に説明してみよ。できるのか。できないではないか。

つまり、浜某の立場は、己れの思いこみという、単純な個人的感情表白にすぎず、そこに論理性がまったくない。

井戸端会議レベルで教授が務まるのか

そのことをなんと自分自身がはっきりと言っているのである。すなわち「なぜ安倍政権の『女性活躍推進法』はダメかというと、動機が不純だからです」と。

動機──倫理学上の「動機」という意味で浜某が使っているわけではない。ごく単純に「原因」といった意味で使っている。仮にそれがどちらの意味であろうと、動機は、本人以外、だれも明白にし確定することなどできないではないか。そんなことは、若者風に「君の名は」流に言えば、〈前前前前前世紀から〉分っている。

にもかかわらず、動機が不純と断ずる。これはもう〈論〉ではなくて〈感情〉であり、井戸端会議でのペチャクチャ噂話の域。

安倍首相の所論を確めることもなく、動機を勝手に特定しての噂話のばらまき。こんなレベルの低い者が、学生に徹底的に論理性を鍛える大学院教授を勤めることができるのが不思議である。さしたる学識も見識もない教員に限って大話をしたがるものである。

古人曰く、狂夫(独り善がりの者)の楽しみは、智者 哀しむ。愚者の笑ふ所は、賢者 察ぶ(詳しく明らかにし批判する)、と。

*史記が依った『戦国策』趙策にこの文はない。『商君書』更法篇に似た文がある。

【古典の知恵】

狂夫の楽しみは、智者〔それを〕哀しむ。
愚者の笑ふ所は、賢者〔それを〕察ぶ。
『史記』趙世家

著者略歴

加地伸行

https://hanada-plus.jp/articles/190

1936年(昭和11年)、大阪に生まれる。1960年、京都大学文学部卒業。高野山大学、名古屋大学、大阪大学、同志社大学を経て、立命館大学フェロー、大阪大学名誉教授、文学博士。専攻、中国哲学史。月刊『Hanada』で「一定不易」を連載中。

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