コロナ対応、安倍政権は失敗したのか
安倍政権の支持率低下が止まらない。読売新聞社が4月中旬に行った世論調査では、安倍内閣の支持率は42%となり、前回調査の48%から6ポイントも下落した。産経新聞社の調査でも、内閣支持率は2.3ポイント減の39.0%。新型コロナへの政府対応も、「評価する」が22.7ポイント減の28.7%と急落。逆に、「評価しない」は25.1ポイント増えて64.0%となった。
さらに深刻だったのは、不支持率だ。読売の調査では、不支持率は47%(前回40%)とジャンプアップ。モリカケ騒動の2018年5月以来2年ぶりに、不支持が支持を上回った。産経の調査でも、不支持は3.2ポイント増の44.3%で、支持率を上回った。
安倍首相は世論調査の数字としては、平素から支持率よりも不支持率を気にする傾向があると言われている。安倍支持層が多いはずの保守系二紙で不支持が支持を上回ったことは、政権中枢でも深刻に受け止められた。
それでは、安倍政権の武漢ウイルス対応は、落第点しか与えられないようなものなのだろうか。
世界各国のデータと比較してみよう。感染者数は国によってPCR検査の実施方針が異なるため、死亡者数を比較してみる。
欧米各国と日本の4月13日段階での死者数は、
▽アメリカ 2万3千621人
▽イタリア 2万465人
▽スペイン 1万7千756人
▽フランス 1万4千967人
▽イギリス 1万1千329人
▽日本 102人
欧米各国が軒並み1万人を超えているのに対し、日本は百分の一以下だ。単位人口当たりの死亡者数をみても、先進国のなかで日本は突出して低く、死亡者の増加率のグラフも地を這うような横這いだ。
また、これまでに安倍政権が打ち出した各種の対策についても、
- PCR検査を有症候者に絞ったことで、医療崩壊を未然に防いだ。
- 世界に先駆けた全国一斉休校で、子供から大人への感染拡大を抑止。
- クラスター追跡によって、北海道など特定地域の感染爆発を抑え込んだ。
など、日本の各種政策はWHO(世界保健機関)や世界各国から高い評価を受けている。要するに、4月中旬までの政策と感染状況を比較する限り、日本は武漢ウイルスの抑え込みに最も成功した国と言っても過言ではないのだ。それにもかかわらず、なぜ支持率が急落したのだろうか。