彼らにとって定数削減はどうでもよい政治課題だったのです。消費税減税を選挙公約に掲げながら、政府が実施しようとすると反対したのと同じです。彼らは、有権者を扇動して支持率を稼ごうとする【大衆扇動者rabble rouser】に他なりません。
議員定数を増やす方が合理的だが……
さて、過去に議員定数削減を求める急先鋒であった『サンデーモーニング』は、いまや議員定数削減を反対する急先鋒です。
膳場貴子氏:そもそも日本の国会議員は多いのでしょうか。実はG7各国で比較すると、100万人あたりの議員定数は、日本は6番目。決して多いとはいえません。
【G7各国100万人あたり下院の議員定数】
イギリス:9.43人
フランス:8.68人
カナダ:8.68人
ドイツ:7.44人
イタリア:6.73人
日本:3.75人
アメリカ:1.26人
※国連世界人口推計等より作成
東京大学先端研・牧原出教授(VTR):我々の代表として国会議員が民意を代表している。民意をできるだけ幅広くきめ細かく拾い上げてそれを法律に結びつけたり、多様な声を選ぶためには国会議員の数が多い方がいいし、比例代表はそのためにある。国会議員の数が減るということは、結局は行政任せになる。
(行政の)監視もあるし、新しい法律を議員の側から提案もできる。その可能性は明らかに減る。国会議員の数が減るということは国力を下げると思う。
膳場貴子氏:今、議員の役割が改めて問われています。
ちなみに、定数増を主張する識者は、過去に一度も登場していません。ここにきて定数削減反対に転向した『サンデーモーニング』は、自らの論調に都合の良い識者をあからさまに出演させたのです。
牧原氏がおっしゃるとおり、日本の人口あたりの議員数はG7で米国の次に低い値を示します。国民の声が議員に届きにくいというのは事実であり、現在よりもむしろ議員定数を増やすのは合理的です。
しかしながら、近年では血税を当てるに値しない極めてエクセントリックな議員が国会の質を下げており、議員定数を増やせばさらに増殖する可能性が高いと言えます。
いずれにしても、定数是正にあたっては、議員の質を同時に確保できるよう対策することが必要不可欠であると考えます。


