これらをまとめて、刑法犯の総数と凶悪犯の総数を対比すると次表のようになります。
米軍関係者の犯罪率
まず、刑法犯の総数(101件・80人)を見ると、検挙(検挙の件数)・人員(検挙した人の数)に占める米軍の割合は1.98%・2.37%であり、沖縄県に占める米軍関係者(米軍人・軍属及びその家族)の人口比率3.27%よりもやや小さくなっています。
つまり、米軍関係者の刑法に反する犯罪は、沖縄で発生している一般社会の犯罪よりも少ないと言えます。米軍に対して「綱紀粛正が全く機能していない(沖縄県知事)」「規律の限界(沖縄県議会)」と断じるのは必ずしも妥当ではありません。
一方、凶悪犯の総数(6件・6人)をみると、検挙・人員に占める米軍関係者の割合は5.56%・5.88%であり、人口比率3.27%よりもやや大きくなっています。ただ、この数値をそのまま一人歩きさせるのはフェアではありません。6件・6人という少ないデータ量(サンプルサイズ)は必ずしも統計量の有意の差を十分に担保するものではありません。
また、沖縄県の人口は凶悪犯罪の発生率が一般に低い子供や高齢者などのすべての年齢層を含んでいるのに対して、米軍関係者の年齢構成は凶悪犯罪の発生率が一般的に高い10代後半から20代後半がほとんどです。
つまり、凶悪犯罪の発生率については、米軍関係者という属性が大きく影響しているとは必ずしも言えないと考えられ、米軍関係者という属性をもって危険とみなすのは、人間差別に当たる可能性があるということです。あえて言えば、『サンデーモーニング』がいつも非難している「排外主義」の可能性があります。
スタジオトークにおいて、谷口氏は「今年沖縄の海兵隊って、イランとの戦争にも派遣されていて夏に戻ってきているんですけれど、沖縄ってそういう意味で戦争と隣り合わせの土地なんですね」とコメントし、膳場氏は「戦場の暴力が染み出してくるのをそのままにしてしまっている」「今回逮捕されたのは20歳の海兵隊員でした」とコメントしています。
しかしながら、データを見る限り、米軍人であることが要因となって犯罪が多く発生しているかのように決めつけて糾弾するのは妥当ではありません。

