松原氏が、米軍の教育現場の一つのエピソードを根拠にして「軍の士気を維持することが最優先で、そのためには一定の犯罪を受け入れざるを得ないというふうに感じている」と認識したのもあまりに早計です。
例えば、横須賀基地の在日米軍は、私が知る限り、外出禁止・行動制限・飲酒規制などを厳しく行っています。MP(憲兵)が基地周辺を頻繁にパトロールしてこれをチェックしています。知人が経営している日本人居住地域の立ち飲み大衆酒場では、夕方になると家族連れの米軍関係者が大挙して来店しますが、21時になると一斉に飲むのをやめて基地に戻ります。一般に米軍関係者は住民に非常に友好的です。
少なくとも、以上のような在日米軍を知ったつもりのコメントがテレビで放送されることにより、まるで米軍関係者が特別危険な存在であるかのように日本社会に認識されてしまうのはフェアではありません。もし、このような差別的な報道を行うのであれば、同時に刑法犯のほとんどを占める米軍関係者以外の犯罪者に対しても所属先を開示して非難するのがフェアです。
勿論、凶悪犯罪者を糾弾することは重要です。日本政府が日米地位協定を根拠にして米軍に抗議することも重要ですし、米軍が今回の事件発生を重大視して綱紀粛正を進めることも重要です。犯罪が少なくなることは誰もが望むことです。
ただし、根拠薄弱な理由で米軍関係者を過剰に危険視するのは一種の魔女狩りであると考えます。
個人ブログ「マスメディア報道のメソドロジー」にて、論理学や心理学の定義に基づいた、メディアの報道・政治家の議論における論理的誤謬などの問題点を指摘。「ひるおび」「報道ステーション」「NEWS23」「サンデーモーニング」などの具体的な放送内容や議員の答弁、記者の発言などを例示しての論理的な分析が話題を呼んでいる。記事の一部を言論プラットフォーム「アゴラ」にも転載中。

