膳場貴子氏:これ本当にどれだけ犠牲を払えば、日米地位協定が改定できるのかと本当に思ってしまいますけれど…
谷口真由美氏:もうなんか、怒りと悲しみを沖縄の方からも本当に届けられるんですけれど、地元紙によると、復帰後だけでも米軍関係者による殺人は少なくとも7件起こっていて、基地が集中している限り、これで終わりという保証はないんですよね。
で、古謝知事自身が、「綱紀粛正が全く機能していない」ということをおっしゃっていて、県議会も「規律の限界」ということを決議していると。で、今年沖縄の海兵隊って、イランとの戦争にも派遣されていて夏に戻ってきているんですけれど、沖縄ってそういう意味で戦争と隣り合わせの土地なんですね。
で、暴力を訓練する組織と暮らしが隣り合わせということは、沖縄の人とか沖縄に対する暴力というのは地続きの問題として考えなければならないということがあって、国連の女性差別撤廃委員会なんかも沖縄の米軍人による女性への暴力を名指しして、日本政府に予防と被害者への補償を勧告しています。で、加害者が誰であったとしても、沖縄の人、それから沖縄の女性を守るのは国の責任で、国民を守るというのであれば、沖縄の人もその中にいるということを忘れてはならなくて、地位協定の見直しと行動で示してほしいなと。
いつまで沖縄にこれを押し付けるんだという問題を我々本土側がしっかり考えなければいけないと思います。
膳場貴子氏:戦場の暴力が染み出してくるのをそのままにしてしまっている。本当にもっと手を打っていかなければいけないと思うんですけれども。今回逮捕されたのは20歳の海兵隊員でした。
松原耕二氏:私は沖縄の基地の中を5日間密着取材したことがあるのですが、そこで、赴任したばかりの若い兵士、本当に高校を卒業したばかりの兵士がたくさんいると。教育の場面を見たんですね。そこで教官たちが、みんなにこう語りかけるんですね。「米兵の犯罪はなくせると思うか」と。
そしたらみんな「Noだ」と。無理だと。「じゃあ減らせると思うか」と。「Yesだ」と。「じゃあ、言ってみろ、誰か。どうやったら減らせるんだ」と。
そしたらある兵士が手を挙げて「規則を厳しくすればよいと思います」と。それに対して教官が何て答えたか。「でもそんなことしたら軍の士気が落ちてしまうだろ、君たちの」と答えたんですね。
つまり、軍の論理からすると、軍の士気を維持することが最優先で、そのためには一定の犯罪も、勿論なくしたいと思っていると思いますよ。でも一定の犯罪を受け入れざるを得ないというふうに感じているように私には見えたんです。
実は世界でも米軍関係者の性犯罪っていうのは、この20年間で3倍近くに増えている。私は軍の構造的問題に取り組まないと。この問題は解決できないと思います。
最初に断っておきますが、強盗殺人事件は絶対に許されてはいけない凶悪犯罪です。被害に遭われた女性の方におかれましては、大変恐ろしく悔しい思いをされたものと推察します。本当につらかったでしょう。謹んでご冥福をお祈りいたします。
また、ご遺族の方々におかれましても、大変悲しい思いをされているものと推察いたします。心よりお悔やみ申し上げます。容疑者に対しては強い憤りを感じます。
そのうえで、『サンデーモーニング』が、この事件を根拠に容疑者ではなく沖縄米軍を強く責めていることの可否について議論したいと思います。
行動を「抑止」(ゼロ)にはできない
まず、日米地位協定第16条には、次のように規定されています。
日本国において、日本国の法令を尊重し、及びこの協定の精神に反する活動、特に政治的活動を慎むことは、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族の業務である。


