アナウンサー:備蓄米の販売期限について、これまで農水省は「8月末まで」としてきましたが、20日、小泉大臣は備蓄米の販売期限の延⻑を発表。9月以降も販売を認めたのです。
その理由は...随意契約で放出が決まっていた備蓄米の引き渡しが滞っているといいます。このドラッグストアでも、全店舗で2万トンを申請していましたが...
小泉進次郎農林水産大臣(VTR):引き渡しが済んでいないもの(備蓄米)が10万トン程度あり、契約した数量を約束通り流通させることが、農水省の責任。
アナウンサー:小泉大臣が力を入れてきた備蓄米放出。なぜ、引き渡しが遅れているのでしょうか。8月末で、販売を終えるはずだった備蓄米。
ところが、契約済みの3分の1にあたる10万トンがいまだ出荷できていないのです。農水省によれば、遅れの主な要因は、3、4年前に収穫された古い備蓄米の品質確認をする手間です。
商品としての備蓄米が不足している状態であれば問題ですが、小売業者に在庫がある状態で急いで備蓄米を放出する必要はありません。しかも、備蓄米が出回っている状況で新米の価格も安定しているようです。
アナウンサー:まずは、市場にコメを溢れさせることで、価格を引き下げるという戦略。そのうえで、秋から出回る新米の価格が下がりすぎないようにするため、「8月末」という期限を設定していたのです。
しかし、新米が出回り始めた今、現状の価格はというと、去年より1200円値上がりし、5キロで5000円に迫る銘柄も。新米を含む銘柄米の平均価格は、4239円と高止まり(8月4日~8月10日)。備蓄米で市場をジャブジャブにすることで期待された「値下げ効果」は、みてとれません。
そんな中、備蓄米の販売期限の延長という政策転換。
(中略)
アナウンサー:備蓄米と銘柄米、しばらくは選択肢が残された形。
備蓄米を購入したお客さん(VTR):「(備蓄米は)値段も魅力だし、(販売)期限までは、もしあれば買おうかな。
新米を購入予定のお客さん(VTR):次は新米にしようと思って、やっぱりコメおいしい方がいいじゃないですか。
アナウンサー:価格が二極化する中、いずれは底をつく備蓄米。コメ騒動に出口はあるのでしょうか。
コメ価格が新米と備蓄米で二極化しているということは、消費者にとって「選択肢ができた」ということです。同時に、このことは、消費者が新米の価格を適正と認めたということであり、コメ農家にとっても朗報なはずです。
懸念は備蓄米が底をついた時に選択肢がなくなることですが、その場合には輸入米を入れるのが合理的です。日本の新米の実力が証明されたわけですから、輸入米を入れても、日本のコメ農家の生産体制が打撃を受ける事態は発生しないはずです。
政府がコメの増産に踏み切ったことから、いずれ体制が整って供給量が増えれば、新米の価格は当然低下すると考えられます。これがコメ騒動の出口です。