その頃から事あるごとに村瀬さんにお会いする事が増え、造形工房のツエニー見学もさせてもらった。特殊造形好きな自分にとっては夢の国。色んな物を作っている所を見せてもらって大興奮。映画やテレビの特殊造形だけでなく、皆が大好きなテーマパークの目玉になるような物も作っていたり、劇団四季『ライオンキング』の動物達もメンテナンスしていた。
地元である瑞穂町で村瀬さんの造形物展示イベントが開催された。その時に声をかけていただき自分のコレクションも展示する事になった。展示するのであれば昭和時代のゴジラ関連プロップを大切にしない展示イベントと差別化したいと思ったので、当時村瀬さんが作ったチタノザウルスを持っていく事にした。
『メカゴジラの逆襲』(1975)に登場したチタノザウルスが泳いでいる姿のギニョール人形は初お披露目だ。一緒に着ぐるみアップ用の頭も持って行った。
チタノザウルスを見た村瀬さんは「うわー、懐かしいな~。残ってたの~、嬉しいな~」と大喜び。その他にツエニーで作った平成キングギドラのウロコも持って行った。ウロコは直人さんが「これ、俺達が作ったんだよねー」と懐かしそうにしていた。
イベントではトークショーも開催され、司会をやらせてもらう事になった。撮影当時の話で特に盛り上がったのは香港映画『北京原人の逆襲』だった。
リメイク版『キングコング』が公開されると、香港の映画会社ショウ・ブラザーズが「キングコングみたいな映画を作りたい」という事になり村瀬さんが北京原人を造形し、撮影の一番危険なシーンではスーツアクターもこなした。そんなお話を聞かせてもらった。
村瀬さんは第一次怪獣ブームの生き証人なので、どんな風にゴジラやモスラを作ったのか、そんな質問をされる機会が増えていったと思う。
そうなると、だったら当時と同じ作りでゴジラの皮膚やモスラの目を再現しちゃおう、という事になりキンゴジ(『キングコング対ゴジラ』に登場したゴジラの呼び方)やモスラ成虫の目を作った。
ありがたい事に、どちらもいただいてしまった。これは僕のお宝だ。
チタノザウルスのギニョールとご対面。
再現されたモスラの目
成虫モスラと村瀬さん。