日本は世界征服を企む悪の軍事国家?
この日の「風をよむ」のセグメントは「戦争と今年のアカデミー賞」と題するテーマでした。田中優子氏は、ここでも妄想を膨らませました。
日本の2作品が注目された今年のアカデミー賞 戦争にまつわる作品の受賞相次ぐ【風をよむ】サンデーモーニング | TBS NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1058983日本の2つの作品の受賞で注目された今年のアカデミー賞。原爆の開発を描き、7冠を獲得した「オッペンハイマー」にアメリカの変化を見て取ることができます。10日、ロサンゼルス・ハリウッドで行われたアカデミー賞…
田中優子氏:『オッペンハイマー』について言うと、「研究者と戦争」という問題を考えた。10年くらい前から軍事研究ということが言われるようになってきて、さらに防衛装備の輸出ということになってきた。それを考えた時に、日本にもあのような研究者が現れる可能性がある。研究をしているだけだと思っているが、実はそこに巻き込まれて行って、とんでもないことになって行く。研究者がどうあるべきなのか、学術会議の問題もそうだったが、考えるべきことだ
なぜ『サンデーモーニング』のコメンテーターの皆さんは、日本が世界征服を企む悪の軍事国家を目指しているような、子どもにもバカにされるような突拍子もない妄想を抱き続けるのでしょうか(笑)。仮に日本が侵略戦争を画策しようものなら、国民がそれを許さず、侵略する前に内閣が倒れるというのが蓋然性の高いシナリオであると考えます。
また、日本が軍事研究を行っているのは、中露北のような覇権国家に対する戦争抑止と防衛のためであり、他国への侵略を考えている政治家が存在する合理性は極めて低いと言えます。
このような可能性がほぼゼロの妄想を膨らます一方で、可能性が十分に考えられる中露北の侵略についてはまったく言及しないのですから、ひたすら笑うしかありません(笑)。
学術会議も同じ穴の狢です。日本が他国を侵略することを恐れ、日本の安全保障を妨害し、国民に不要のリスクを与えてきました。なお、幸運にも学術会議は国から切り離される予定になっています。勘違いして支配欲と自己顕示欲を持った私人くらい、国民から見て厄介な存在はいません。
ちなみに、当時オッペンハイマーが存在していなくても、核爆弾の開発は時間の問題であり、止めることはできませんでした。研究者は覇権国が悪魔の武器を開発していることを常に想定している必要があります。
平和のために研究者に求められるのは、①覇権国が軍事技術を使用する動機を止める懲罰的抑止に資する技術の開発と、②覇権国の軍事技術を無力化する拒否的抑止に資する技術の研究です。もちろん、②の取り組みが極めて重要です。これこそが研究者のあるべき姿であると考えます。