関口宏氏の後任司会に最適なのは……!?
ところで、ロシアのウクライナ侵攻が2年を経過したことをめぐり、番組はウクライナの世論調査を報じました。
<現実的な戦争の結末は>
■領土を失っても現状で集結
6%‘(22年5月)→19%(今年2月)
■クリミア含め全領土回復
61%‘(22年5月)→52%(今年2月)
これをうけて、松原耕二氏は、次のようなかなり踏み込んだ問いかけを行いました。あえて全文を文字起こしさせていただきます。
松原耕二氏:ウクライナをめぐる数字(上掲)は1年前とは状況が様変わりした。ウクライナの人々の気持ちも本当に変わってきている。疲れているということだろう。我々の番組(BS)でもいろいろウクライナを取材して、そう思う。
ただ、まだ多くの人、7割くらいの人が「あくまでロシアに対して戦う」と言い続けている。「ウクライナの領土の2割をロシアに占領された形で停戦をするのか」という問いに対して、彼らはNoと言っているわけだ。それはなぜかというと、プーチン大統領の戦争目的が、領土ではなくて、あくまでもウクライナを屈服させて属国化することであるからだ。ずっと言い続けている。これでもし停戦にしても、終わらない、まだまだこれが続く、力を貯めてまたロシアがやって来るということをウクライナの人がわかっているからだと思う。
確かに犠牲がこれだけ増え、やめて停戦になって欲しいと思う。だけど、侵略された国が「まだ戦う」と言っているという状況の中で、それは確かに「もうやめよう」とは言えない気持ちも一方ではある。心配なのは、これでまたプーチン大統領が、勝利という経験を得た時に、「やっぱり力がある人間が世の中動かせるんだ」と、イスラエルもそういう状況になりつつあるが、力ずくで世界を動かせる第二次大戦の時代が戻ることを我々は受け入れられるのか。
そこが本当に我々に突き付けられていると思う。
これは、自由と民主主義の見地から、危害を加えられたウクライナ市民に寄り添って、その意志を尊重し、けっして安易に不戦を求めない責任ある問いかけであり、これこそがリベラリズムの神髄であると考えます。松原氏は言う時は言います。
ちょっと私見をバラせば、松原氏こそ『サンデーモーニング』司会の関口宏氏の後任に最適であると以前からずっと思っていた次第です。
個人ブログ「マスメディア報道のメソドロジー」にて、論理学や心理学の定義に基づいた、メディアの報道・政治家の議論における論理的誤謬などの問題点を指摘。「ひるおび」「報道ステーション」「NEWS23」「サンデーモーニング」などの具体的な放送内容や議員の答弁、記者の発言などを例示しての論理的な分析が話題を呼んでいる。記事の一部を言論プラットフォーム「アゴラ」にも転載中。