数値を読めない非科学的な番組出演者
関口宏氏:一昨日発表された全国の感染状況によると一医療機関当たりの感染者数は20.19人で依然収束の見通しは立っていないように見えます。
荻上チキ氏:尾身氏が言っていた「ピークはまだ」は、まだまだたいしたことはないという意味ではなく、ピークアウトはまだ、つまり流行に向かっている最中であると。つまりこれからより警戒が必要であるという状況がある。
これはまったく非科学的な見立てに他なりません。このときに発表されていた週ごとの患者数(正確には一定時間あたりの患者数)の時間変動を見ると、7月下旬の段階で下に凸から上に凸に既に移行していることがわかります。
(2023年9月15日発表)
この変曲は、物理的には、患者数の発生速度の時間微分(導関数)である患者数の発生加速度が極値をとっている、つまり一定確率で患者を発生させる感染の実効再生産数がそのとき既にピークアウトしていることを意味しています。実効再生産数のピークアウトから1カ月以上経過している9月の上旬には、既に流行はピークを越している状況にあると考えるのが蓋然的です。
事実、その後に発表された患者数の変動を見れば、2023年9月15日発表の段階でも患者数は既にピークアウトしていることがわかります。