「首相は権力を私物化している」?
さて、青木理氏は、今回もまた国民のルサンチマンを刺激するパワーワードである「権力の私物化」という言葉を使って首相を批判しました。ただし、論理展開はグタグタです。
青木理氏:公邸がなぜ官邸の横にあるのかと言えば、最高権力者たる首相が国家的危機に迅速に対応するためだ。公邸はこの国の究極の公的空間で公的権力の中枢だ。そこに親族を招いて忘年会をしてはしゃぐというのは論外だ。
権力の私物化だ。(少子化対策に)5千億追加して財源を先送りするのも選挙を有利にする権力の私物化だ。自己の都合で全て誤魔化したり、派手に打ち上げたり、その大元は全て我々の税金ということを考えると、権力の私物化が今回のすべてのキーワードだ。
青木氏は無理やりスケープゴートを貶めていますが、危機管理のヘッドクォーターとなる公的権力の中枢はあくまで官邸であり、公邸は官邸に迅速に移動できるよう設置された私的利用のための国家公務員宿舎です。
実際に公務員は、公邸を究極の公的空間とは思っていません。例えば、危機管理を担当していた私の知人は、官邸まで自転車で5分の距離にある国家公務員宿舎に居住していました。彼らの行先は官邸であり、公邸ではありません。
また、法で定められた国家公務員宿舎の宿舎機能を利用することにも、今後国会で議論されることになる少子化対策の具体的な素案を示すことにも、権力など一つも関与していません。
自己の都合でジャニーズ性加害事件の存在を誤魔化したり、限界左翼の政敵に対する非難を派手に打ち上げたりして公共の電波を私物化するテレビと一緒にするのはやめましょう。