はじめて著書である『日本共産党 暗黒の百年史』がおかげさまで好評を得ている。この種の本では賛否両論あるのは当然だが、「面白かった。多く人に読んでほしい」「歴史を網羅していて、知らなかったことをいろいろと知ることができた」などのお褒めの言葉もいただき、筆者として無上の喜びを感じている。
ファクトに基づいた「暴力革命」の検証
日本共産党史研究の最高傑作! 2000円(税込)
あらためて三点ほど、本書の読みどころを紹介させていただきたい。
ひとつは、日共の「暴力革命」路線についてである。1951年、日共は暴力革命をめざして、いわゆる「51年綱領」を採択し、51~52年にかけて実際に数々の暴力・騒乱事件を起こしている。年配者にはすでに周知の事実だが、さかんに「平和」を叫ぶ現在の日共の姿しか知らない若い人には、意外なことかもしれない。しかも当の日共は現在、「暴力事件は分派の仕業で党とは無関係」と主張し、「51年綱領」すら認めていない。本書で、政治的テロでもある「暴力革命」について、事実を踏まえた検証をしたことは、現代的な意義がある確信している。安倍元総理の暗殺という惨劇を目の当たりにしたいま、本書をきっかけに政治と暴力の問題を考えていただければ幸いである