寺島実郎氏:そこで僕は大事だと思うのは、「非核三原則堅持」とか「核なき世界に向けて努力する」とか言っているけれど、「本当に日本は核なき世界に向けて何か努力しているんですか」という質問を僕はよくされるんですよ。僕は少なくとも二つ、日本にもできることがあるはずだと。
例えば、核兵器の先制使用を抑止する国連でのルール作りなどに先頭に出て何か主張しているのかと。沈黙しているだけじゃないかと。それから更には、核兵器禁止条約に、米国に配慮して入らないという立場を取るにしても、核兵器禁止条約第6条というのがあって、被爆地への復興支援ということは、日本としても、例えば「原発事故とか核兵器の実験場になった所の復興に関して日本としてできることはやるよ」という形のコミットメントだってある。
ですから本当に核なき世界に努力しながら被爆国としてのスタンスを見せることはやろうと思えばできるんですよ。それが僕は大事なポイントだと思います。
寺島氏のおっしゃる通り、核兵器の先制使用の抑止のルールを定めることは重要ですが、侵略戦争や化学・生物兵器の使用などを抑止する【拡大抑止 extended nuclear deterrence】の観点から単純ではありません。核抑止が抑止するのは核戦争だけではないのです。
もちろん、軍縮は、主権国の安全保障において物理的保障になりますが、核査察の不透明性はもとより、覇権国家が核戦力を拡大している中で民主国のみが核軍縮を行うのは、安全保障の不均衡をもたらすため合理的判断とは言えません。
各国の核保有数
1980年代後半をピークに、米ソの戦略核兵器削減条約によって世界の核保有数は大幅に減少してきました。
世界の核保有数の推移

