本書は「地政学講座」と銘打っているが、取り上げるテーマは広汎なものだ。
「地政学は戦争をするための学問」などともいわれがちだが、本書では地政学というものがどのように扱われてきたか、そして戦争を防ぐため、起きている戦争を分析するために地政学をどのように学び、使うべきかに力点を置いている。
戦略の観点や国際法、ハイブリッド戦やAIの将来、さらには地経学や環境問題の分野にも目配りし、今日的な「国際社会全体の問題」の捉え方を提示している。
〈はじめに〉の前の扉ページで著者が引いているユヌス・エムレ(アナトリアのイスラム神秘主義者)という人物の言葉は、本書を読み終わってから立ち返るとさらにその意味を増す。
自分がどこへ向かっているのかわからなければ、学びは空虚な知識に過ぎない。
ライター・編集者。1980年埼玉県生まれ。月刊『WiLL』、月刊『Hanada』編集部を経てフリー。雑誌、ウェブでインタビュー記事などの取材・執筆のほか、書籍の編集・構成などを手掛ける。

