【読書亡羊】地政学は戦争ための学問なのか  マルク・セモ著『地政学講座』(原書房)|梶原麻衣子

【読書亡羊】地政学は戦争ための学問なのか マルク・セモ著『地政学講座』(原書房)|梶原麻衣子

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


本書は「地政学講座」と銘打っているが、取り上げるテーマは広汎なものだ。

「地政学は戦争をするための学問」などともいわれがちだが、本書では地政学というものがどのように扱われてきたか、そして戦争を防ぐため、起きている戦争を分析するために地政学をどのように学び、使うべきかに力点を置いている。

戦略の観点や国際法、ハイブリッド戦やAIの将来、さらには地経学や環境問題の分野にも目配りし、今日的な「国際社会全体の問題」の捉え方を提示している。

〈はじめに〉の前の扉ページで著者が引いているユヌス・エムレ(アナトリアのイスラム神秘主義者)という人物の言葉は、本書を読み終わってから立ち返るとさらにその意味を増す。

自分がどこへ向かっているのかわからなければ、学びは空虚な知識に過ぎない。

梶原麻衣子 | Hanadaプラス

https://hanada-plus.jp/articles/712/

ライター・編集者。1980年埼玉県生まれ。月刊『WiLL』、月刊『Hanada』編集部を経てフリー。雑誌、ウェブでインタビュー記事などの取材・執筆のほか、書籍の編集・構成などを手掛ける。

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書評 読書亡羊 梶原麻衣子

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