このような「報道の自由」と「報道しない自由」の使い分けこそ、もっとも安全な「偏向報道の自由」の行使方法に他なりません。
法治主義に対する背信行為
さて、『サンデーモーニング』は、この一連の斎藤知事問題について、重大な「報道しない自由」を行使しています。それは、10月25日の百条委員会の音声がSNS上に流出した事実を報じていないことです。
この音声データは、SNSに流出し、選挙結果に大きく影響を与えたものであると考えられています。その内容は、選挙後に兵庫県が公開された映像でも確認できます。
https://youtu.be/CfFT8lotlYM?t=9357
この映像において、百条委員会は片山安孝元副知事の証言を削除していますが、音声データには、百条委員会の奥谷謙一委員長がプライヴァシーを理由に片山元副知事の証言を頑なに拒絶する様子が克明に記録されています。
あまりにもアンフェアな百条委員会の運営に見かねたのか、メンバーの増山誠兵庫県議がこの委員長の行為に異議を唱え、次のような要望書を提出しています。
よろず~ニュース編集部(2024/11/30)
増山氏は29日のXで「11月14日、片山元副知事から兵庫県議会議長宛に要望書が提出されました。」と題して片山氏の要望書の内容を説明。
①「元西播磨県民局長の公用PC内の文書を調査しなければ、文書作成の意図・目的が検証できないこと」
②「PC内のデータを調査もせず、証言すらさせないことは不公正であること」
③「百条委員会は証人の弁明に必要な資料は取り調べを許さず、証人を攻撃する材料だけを集め、威圧的に追求する場となっていること」
とポイントを示して趣旨を伝えている。
要望書で片山氏は「秘密会」の内容を委員会側が記者会見して公表したことについて「公表された内容は一方的な偏った内容ではなかったか」と疑問視。参考人の人選の中立性にも疑問を投げかけ、職員アンケートも「伝聞が大半を占めている」としている。
増山氏はさらに
●公用PC内の情報(プライバシー情報除く)
●人事課が合計5回行った元西播磨県民局長への事情聴取資料
と増山氏自身が請求したが、却下されている内容も公表。「公益通報者保護が争点に追加された今となっては、この2つの資料は事実究明に最も重要な資料である」と強調している。続けて、12月9日に行われる百条委員会理事会に資料要求を申請したことも明かした。
公益通報者保護を争点とする場合、公用パソコン内の情報は、知事の裁定の判断根拠となり得るものであり、知事よりも強い権限(百条調査権)を与えられた百条委員会がその権力をもって被告発者に資する真相の解明を阻止するのは、法の原則に反する言語道断の行為です。
当然のことながら、この問題の事情をよく知るマスメディアは、元県幹部の自殺の要因も含めて、真相解明には公用パソコン内の情報が必要であることを認識しているはずであり、このことを報じないのは、法治主義に対する背信行為です。
そして、この問題に対して、先頭に立って真相解明を妨害しているのがTBSテレビ『報道特集』です。