「争点型」でなく「戦略型フレーム」の報道に終始
2024年9月8日の『サンデーモーニング』のトップニュースは、自民党と立憲民主党の党首選挙についてでした。政治を何だと思っているのかという疑問に満ちた報道の連続でした。
アナウンサー:今週木曜日に告示を迎える自民党の総裁選挙、様々な顔ぶれが名乗りを上げるなか、野党・立憲民主党の代表選挙が告示され、与野党で新たなリーダー選びが始まっています。
立憲民主党・泉健太氏:是非ともあの裏金の自民党の政権から政権を変えようじゃありませんか!
立憲民主党・枝野幸男氏:私たち立憲民主党こそが、もう一つの選択肢として、政治腐敗を一掃する!
立憲民主党・吉田晴美氏:政権交代! そこに向かっていきたいと思います!
立憲民主党・野田佳彦氏:政権交代こそが、私は最大の政治改革だと思っています!
アナウンサー:昨日告示された立憲民主党の代表選挙。候補者たちが見据えるのはその先です。政権交代を見据え、この人も動きました。
立憲民主党・小沢一郎氏:過去のことを言っていたのでは、いつまでたっても党内はまとまらない。今回それを乗り越えて支援を決めた。
アナウンサー:かつて剛腕・壊し屋として知られた重鎮、小沢一郎議員です。今回、野田元総理の支援を表明しましたが、民主党政権時代には…
民主党・小沢一郎氏(当時):もはや野田総理のもとでの民主党は、政権交代を成し遂げた民主党ではない。
アナウンサー:消費税増税法案めぐり野田氏と対立した小沢氏が50人を率いて離党。民主党政権の崩壊へとつながりました。あれから12年。
立憲民主党・野田佳彦氏:一番反目し合った仲でしたけども恩讐を超えて政権を取れる滅多にないチャンスが来てる。
相変わらず、『サンデーモーニング』は、立憲民主党の候補者が「裏金!」「政権交代!」と一律に叫んでいる映像と影のボスキャラである小沢氏の挙動のみ報じました。
すなわち、『サンデーモーニング』は、国民生活とは何の関係もない政治家の勝ち負けを語る【戦略型フレーム】の報道に終始し、国民生活に直結する政策を語る【争点型フレーム】の報道を一切行いませんでした。
4人の議員が代表選に立候補したのであれば、主要なアジェンダに関する政策の違いを示すのが報道の役割です。小沢一郎氏が誰を支援しようが、まったくどうでもよい話です。結局、『サンデーモーニング』が報じているのは、単なる権力争いのみであり、本当に無駄な番組としか言いようがありません。さらに…
アナウンサー:次期衆院選をにらみ、野党第一党の顔を選ぶ選挙戦の火ぶたが切られるなか…
小泉進次郎氏:遠慮なくやって下さい。キツイのどうぞ。
アナウンサー:地元神奈川で野球部の練習に参加した小泉元環境大臣。
小泉進次郎氏:モットーは迷ったらフルスイング。思い切ってやれば後悔は残らない。
アナウンサー:フルスイングをアピールした翌日、総裁選への出馬会見で掲げたスローガンは「決着」でした。何を決着させるのか。例えば…
小泉進次郎氏:私が総理になったら選択的夫婦別姓を認める法案を国会に提出し、この問題に決着をつける。
アナウンサー:自民党内に反対意見が根強い夫婦別姓。
小泉進次郎氏:国会に提出して最後これは採決になるが、そのときに一人一人を縛ることは考えていない。つまり、党議拘束をかけずに、この法案の採決に挑む。
アナウンサー:さらに…
小泉進次郎氏:できるだけ早期に衆議院を解散し、国民の皆さんの信を問うことにしたい。
アナウンサー:自民党が待望する選挙の顔としての自信の表れでしょうか、総理に相応しい人を問う世論調査では石破氏とともに突出した人気を誇ります。