松原耕二氏:自民党は30年前の政治改革の時に政治改革大綱で「国民感覚とのズレ」という言葉を使って反省して示した。20年後、下野した時に「国民感覚とのズレ」と同じ言葉を使って反省して見せた。ところが、また一強になってしまうと国民感覚などどこ吹く風で繰り返しだ。結局は頻繁な政権交代がないと緊張ある政治は生まれない。
政権交代がないのは自民党の責任ではなく、政権運営能力を国民に認められていない野党の責任です。また政権交代を目的化するのは本末転倒です。基本的に、政治の結果として政権交代があるのであって、政権交代の結果として政治があるのではありません。
なお、マスメディアのミッションは政権の監視であり、政権の転覆ではありません。TBSテレビの報道はしばしばこの一線を越えています。
政府に無責任なお説教
ガザの問題をめぐっては、この日も寺島氏から日本政府に対するお説教がありました。
寺島実郎氏:日本の及び腰の平和主義。つまり対米協調を軸にしながら国連での停戦を支持する方向に動いているが、日本が今言わなければいけないのは、この国自体が敗戦国としての悲劇の歴史を背負い、戦争というものに立ち向かっていって「真剣にやめろよ」という提案、あるいは復興に対する提案も含めて、日本が本当にこういうことを考えていることを見せなきゃいけないのに、完全に腰が引けた状態で米国を支持する枠組みの中でこの問題に関わっているから、何をやろうとしているのか外から見てわけがわからない。これが問題だ。