自衛権の正当性の3つの要件
2023年11月19日の『サンデーモーニング』で大いに気になったのは、客観的事実に基づくことなく、コメンテーターが不当に日本政府を貶める主張です。
安田菜津紀氏:イスラエル軍は多くの人たちを南部に退避しろと言いながら、今度は南にも攻撃を強めると言っている。そこにハマスがいると主張さえすれば、どんな攻撃をしても、どれだけ殺しても許されるかのように、5000人の子供を含む12000人以上の人たちの命を短期間に奪って、さらに何とか生き抜いている220万人近い人たちを飢えだったり、これからは寒さに怯えさせるということが、果たして各国が支持をしてきた自衛と言えるのかということは言い続けなければならない。
安田氏のこの見解は至極妥当です。自国に対する侵害を排除する権利である【自衛権 right of self-defense】の正当性の要件には次の3つがあります。
① 【必要性 necessity】:反撃は必要であるか
② 【即時性 immediacy】:反撃は即時に行なわれているか
③ 【均衡性 proportionality】:反撃は過度でないか
今回のハマスに対するイスラエルの反撃は、①②の正当性を満たしていると考えられますが、③を大きく逸脱しています。
つまり、3要件を同時に満たしていないので、その自衛権の主張に正当性はありません。均衡性を満たさない反撃は、自衛という名の侵略行為と言えます。安田氏の主張に疑問の余地はありません。