10年前から不安を煽りまくり
<2013年9月15日>
岸井成格氏:汚染水が外洋に出ていない。健康被害が出ていないということでコントロールされていると言っている。漏れていることは事実でコントロールされているとは言えない。
金子勝氏:タンクから排水溝を伝わって出てしまう可能性とか。港湾のシルトフェンスがあるが、トリチウムに関しては薄まって出ている。
環境の安全性の判定基準は、世界共通して有害物質の濃度です。
2013年、原発の港湾出口でまったく放射線が検出されていないにもかかわらず、番組は安倍総理の「アンダーコントロール」発言を無理やり否定する検証不可能なデマを流し、国民の不安を煽りました。まさにこの頃から、番組は科学的根拠によらない可能性を振りかざし、豊洲市場やコロナにおけるゼロリスク追求の不合理な文化を社会に形成していったのです。
<2021年4月18日>
アナウンサー:懸案だった福島第一原発で発生する処理水をめぐって政府は海に放出する方針を正式に決めました。内外に波紋が広がっています。地元の漁業関係者が最も恐れるのが風評被害です。さらに周辺国(中韓)からは反発の声が上がりました。
目加田説子氏:トリチウムの半減期は短いので健康には大きな被害がないと言われているが、わからないこともたくさんある。実際にそうではないと指摘する研究者もたくさんいる。放出するのは30年・40年ずっと放出し続ける。どういう影響を人体に及ぼしていくのかわからないわけだ。
だとするなら、海洋放出以外にオプションはなかったのか。どんなことを検討してどれだけのコストがかかるのか、そして最終的に海洋放出に至ったのか、経緯の説明もほとんどない。納得も理解も得られないままに「決めました」というのはあまりにも乱暴だ。行政処分を受ける東電が管理できるのか、国民の不信感がある。
青木理氏:トリチウム以外も混ざるという疑いもある。
目加田説子氏:海洋放出をスルーしてしまえば膨大な放射性廃棄物の処理も今後「いいんじゃないか」「捨てちゃえ」という話になりかねない。怖い。
番組は、地元が風評被害を最も恐れていることを認識しているにもかかわらず、立証されていないハザードをあたかも事実であるかのように語り、確信的に国民の不安を煽りました。
政府が海洋放出の決定にあたり他のオプションを何も検討しなかったかのような目加田氏の言説は完全なデマです。政府は様々なオプションに対して精緻なコスト検証を行った結果として海洋放出を決定したのであり、その詳細な検討資料についてはインターネット上でも開示されていました。
また、処理水の海洋放出が他の膨大な放射性廃棄物を捨てる理由になるなど、常軌を逸した言語道断の悪質なデマです。